おぬごん さんの感想・評価
3.7
物語 : 2.5
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
ノイタミナから視聴者への挑戦
マンガやゲーム、アニメの大手レビューサイトの管理人という顔を持つ、オタクの主人公
その主人公が出会ったヒロインをきっかけに、友人のクリエイター少女たちと「最高のギャルゲー」作成を目指す…
「四月は君の嘘」の感想ではノイタミナの集大成と書いたが(http://www.anikore.jp/review/1107900/)、
この作品は、これまで挑戦を続けてきたノイタミナの、新たな挑戦だった
何せ、原作はこってこての萌え系ハーレムラノベなのだ
「仕事から帰ってきたOLが見てくれるアニメ」を目指していたノイタミナのコンセプトとは真逆だ
開始から10年、紆余曲折を経て木曜深夜に定着したノイタミナが、その本来の視聴者層に、挑戦を仕掛けたのだ
しかも、0話+12話の全13話で、最終回は一週早く終わった「君嘘」の枠も使って2話連続放送
ほとんどのノイタミナ作品が1クール11話程度であることを考えると、ノイタミナの本気が窺えた
…で、その最初の0話は、内容も糞も無いエロ全開の温泉回
確かにエロかったが、正直全然面白くなく、切ろうかと思った…
しかし翌週の1話からは、定番のハーレム部活ラノベ的な展開が進んでいった
ヒロインたちは、メインヒロイン以外はそれこそラノベやギャルゲーによく出てきそうなテンプレを詰め込んだキャラたちだったが、みんなツボを押さえていて可愛かった
しかし、メインヒロインたる加藤は別格だった
確かに他のヒロインたちに比べれば、特徴が無く主だった萌え属性も無い「冴えない」ヒロインなのだが、もうあらゆる面で圧倒的なヒロイン力
メインヒロインに据えられるだけのことはある可愛さだった
そしてヒロインの可愛さを支える作画も素晴らしかった
ノイタミナの資金力で本気で萌えアニメを作るとこうなるのだ、とまじまじと見せつけてくれた
…だが一方で、主人公はえらく不快
主人公は大手レビューサイトの管理人であり「いい作品を見出す能力」と「それを世にプレゼンする能力」に長けている設定なのだが、それが典型的なキモオタの「価値観の押しつけ」のようにしか見えない
ようするに、ウザい
キモオタだったとしても「神のみぞ知るセカイ」の神にーさまみたいに有能で好感が持てる主人公なら良かったのに…
総じて、ハーレム萌えアニメとしては非常によくできていたし、ノイタミナだからこそこの出来となったのだとは思うが、やはりこれをノイタミナでやる意味があったのかは疑問
4月からは1枠に戻り、アニメ映画へのシフトが始まり、また金曜深夜の実写作品との連携作品という新たな枠もできたフジテレビ
2015年はどんな「挑戦」を見せてくれるのだろうか