vGNjD65530 さんの感想・評価
4.2
物語 : 3.0
作画 : 3.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
名作なり得なかった作品
全話見たが、感想としては惜しい作品としか言えない。
題材も良かったし、引き込みかたも上手だった。
しかし、結果が残念だった。
宮園かをり、が死んだ理由がわからない。
死んで仕方のない設定ならわかる。例えば『バジリスク』や『C』などが例になるだろう。
確かに、最愛の人を失って成長し、大人への階段を登っていく少年という過程も理解できる。音楽家として表現というのが深みを増していくのも分かる。
しかし、それでも人物が死んでしまうなら、それ相応の設定が必要である。
才能を持った二人が、苦難を乗り越えて共に高め合っていくという選択肢もあったはずである。
なぜ難病を乗り越えて、ヴァイオリニストとして復活する彼女という姿が描けなかったのか、有馬公生という人物にしか過去の挫折を乗り越えさせなかったのかが分からない。
これでは、宮園かをりという人物の死を踏み台にして有馬公生が前に進んでいくという印象しか受けない。
宮園かをりの短い一生を描いたのに対して、有馬公生の青春の1ページというアンバランス差になっているのかが分からない。
規模がデカイ作品な割に青春の1ページとして終わってしまったのである。
構成が素晴らしく感動した面も多かっただけに非常に惜しい作品であったと思います。