音乙 さんの感想・評価
3.4
物語 : 2.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 2.5
状態:観終わった
尺不足がまま話に露呈
詳細な感想は1クールの方で書いたので省略。
<23話時点>
全般から言えば声優さんの演技はすばらしいし音楽や作画も標準以上だろう。
展開の毎回の急転直下は見事だと思えることが多かったし大尉や姉の頑張りは十分物語をひき付けてくれた。イナホの人間らしさが前期より多くなった部分もプラスになっていたと思う。また2クールから登場のレムリナ姫の人としての物語のある種の悲惨さも23話までは陳腐にもならず良かった。
だがどうしても2クール目開始からここまで心底楽しむ気持ちになれなかった。
火星側の事情とスレインへの悪印象がここまでどうしても自分の中では回復しないまま。一言で言えばスレインの何もかもの中途半端さが嫌なのだと思う。悪役なら悪役とすっぱり覚悟を決めて欲しかったのが正直な気持ちだ。無論人間らしい弱さによる葛藤がスレインらしさといえばそうなのだろうが。
やはり1クール終わりの印象を引き摺った格好になった。
<最終回>
タイトルで個人的な感想はすべて。
{netabare}ハッピーエンドは別に良かった。
和平は結ばれ地球の一般の人々には平穏が戻ってきた。火星も恐らく産業らしい産業を得て一般の人にも平穏がやってくるのだろうという希望が見える。
が、メインキャラ達のその後についてまとめ方が雑すぎると思うが正直なところ。大方(大尉やライエ、エデルリッツォ辺り)についてはそこまで気にならなかったが、逆に言うと主人公などの終わらせ方はさすがに頂けない。
一番酷いと思ったのは姫姉妹か。
アセイラムは女王になるのは問題ないにしても味方にしたクランカインがぽっと出すぎる。せめてハークライトが実は皇帝派だったとかの方が納得できたし、火星の対抗勢力として皇帝派を出したいならクランカインを2期初期から出しておくべきだった。皇帝が居たこと自体ぶっちゃけ忘れてたくらいだ。対抗勢力がきちんと成り立っていたなら地球が皇帝派と裏で結びましたなりの過程を得てすんなりまとまったのではないか。
レムリナ姫も最後をきちんと補足してほしかった。スレインの味方をし火星の戦線を混乱させた首謀者だったことを知らされて処刑されたとか幽閉されたとか、あるいは罪をなかったことにされて王族として教育されなおす、スレインの生存を信じて探しに出る方法を模索するなど。尺がなく削られたとしか…。
スレインの終わりも正直納得できるものでなかった。姫の願いがあったから生かした、は本当に彼のためになったのかと言われたら疑問。死亡エンドが良いかと言われるとそれも首を傾げなくもないが…あえて取るなら2期の過程で姫が目覚めないことで狂気を起こすまで尖ってしまってもよかったのでは。最後の自爆からの決戦の流れも面白くはあったがスレイン自身の足掻きかと言われるとどうにもという感覚になる。上でも書いたが中途半端な部分が最後まで消化できずに残念なキャラになってしまったように感じる。
イナホの終わり方も個人的には納得しきれていない。必要なくなったと目を取ってしまったのは別段悪くなかったものの、死に掛けたほどの過負荷を考えるといっそ後遺症を残してリハビリ、位が一番妥当だった気がする。
まあ何が一番納得できないってスレインと姫、もしくはイナホと姫の再会なり会話なりがあっさりすぎてもう少しどうにかならんかったのか…という辺り。ことイナホと姫の会話「まじにこれでおしまいにすんの!?」と驚いた程なので。
{/netabare}