kochiro さんの感想・評価
4.3
物語 : 5.0
作画 : 4.0
声優 : 3.5
音楽 : 4.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
なりたいと思ってはいけない主人公
チェスは各駒の役割のバランスがよくできているからこそ楽しいように、このアニメのストーリー構成もよくできています。
登場するのは成長の完了した性格確立済みの頑ななキャラクター達ばかり、それぞれの能力の範囲で、アニメ盤上の駒として常識の範囲に収まるように動いてゆく、まさにチェスのようなアニメでした。見方を変えると、対局中にひとつでも駒がルール通りに動かなかったら成立しない。また、対局者同士が手の内を明かし合って動かさないと成立させられない。
R2まで観終わって、そんな設定や展開のストーリーだと感じました。
もし「嘘はつかない」と言う人がいたら、ちょっと疑った目で見てくださいって言われているように感じてしまいませんか? あなたはどうでしょうか?
私は言う側、言われてそう感じてしまう側のどちらの立場にもなってしまいます。自己への疑心暗鬼はエンドレスです。
自分自信に嘘をつくようになったらもうこのアニメを観るしかないでしょう。
そして、自分の考え方や生き方に酔って、間違ってはいないと無理にでも正当化して生きていく。そう、嫌な奴と罵られようが貶されようが。
これを観終わった私は最終話のルルーシュのようになりたがる人が多いから、いつまでたっても戦争が絶えないのではないかなんて、ちょっと悲しいことを考えてしまいました。
けしてなりたいと思ってはいけない主人公。素敵でした。