おぬごん さんの感想・評価
3.2
物語 : 3.5
作画 : 3.0
声優 : 4.0
音楽 : 2.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
小さく纏まってしまった印象
25年前の名作が、実写映画化に合わせてアニメ化
ちなみに実写映画化が昨今までずれこんだのは、ハリウッドに版権だけ握られ、その期限切れを待っていたからだそうな
突如地球に現れた「寄生生物」が右手に宿った主人公
主人公と右手の「共生」そして「変化」と、他の寄生生物との関わりを通し、人間についての哲学が描かれる
ストーリーやテーマは面白いのだが、
作画や演出での魅せが無く、何だか淡々と話しが進んでいった印象が強い
あとBGMのバリエーションがやたらと少なく、場面に合っていない音楽が流れるシーンも目立った
OPも絶望的に作品に合ってなかった
これらのせいで全体的に、チープで安っぽい出来になってしまった印象が残った
放送前はメインキャラのデザインの変更が叩かれまくったが、特にヒロインの元のデザインがやや古かったりするので、舞台を現代にする上での変更自体は必要だったと思う
メガネでなよっとした印象の主人公も、物語を通しての変化が目で見て分かって良かった
ただ、ヒロインのあのデコッパチはどうかと思うが…
声優では、何よりミギー役の平野綾が光った
1話の化け物状態の演技から、淡々とした心を持たない寄生生物の演技、そして主人公に影響され、徐々に「感情」が見え隠れする演技…平野綾の演技力を改めて実感できた
あとは田中敦子や井上和彦といったベテランの、狂気染みた演技も良かった
日テレ×Bap×マッドハウスのアニメは出来が両極端になるイメージがあるが、
本作は原作の良さとキャストに救われて見られるものになっただけで、悪い方の出来だったように思う
温められ続けた名作の待望の映像化だったが、映画のアピール以上の何者でもなく、非常に小さく纏まってしまっていた