田中タイキック さんの感想・評価
3.6
物語 : 3.0
作画 : 3.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
酒は憂いを掃う玉箒(たまばはき)
2006年10月~ フジテレビにて放送
全11話
bar「イーデンホール」の店主として働くバーテンダー佐々倉溜(ささくら りゅう)
彼の作るカクテルは「神のグラス」と呼ばれ
客の抱いている悩みや環境に合わせ適切なお酒を提供し
お酒にまつわる様々なエピソードと絡めながら
客の魂をほんの少し癒していく物語。
森本レオさんのゆったりとしたナレーションから始まり
ピアノを主体としたBGMと落ち着いた色合いの画面作り
非常にオシャレで大人っぽい雰囲気の印象がある今作。
冒頭に必ず挿入されるお酒にまつわる豆知識
劇中には出てきたお酒の歴史や製作者のエピソード
エンディングにはその回に出てきたカクテルのレシピの紹介等々。
とにかく見ているだけでお酒に関する知識が次々と入ってくるのが特徴的。
しかし全体の1/3以上がお酒に関するエピソードや由来に割かれており、それが少々説明的すぎるのが欠点。
また、1話完結で各話毎のゲストキャラの実に様々な職種、状況、悩みがあり
その背景を説明するのにもまた結構な尺を取る。
あまり映像で見せるというのが上手くなかった印象です。
落ち着いた雰囲気を楽しむのか
人と人とのドラマを楽しむのか
お酒に興味があってお酒のエピソードを楽しむのか
どれを重視するのかで評価が変わってきそうな作品
【総評】
お客との会話の断片や服装、仕草、表情から心情や気持ちを汲み取り
それにカクテルという感情で答える。
お客はその想いを受けて魂が癒やされる。
バーテンダーという仕事にたくさんの魅力を感じた本作。
アニメというのは夢を与えるとか、人生を変えるとか
本来そんなに大袈裟なものではなくて、
少しだけ癒やされて、少しだけ前向きになれて、少しだけ頑張ろうと思える
そんな”少し”を思い出させてくれるような作品でした。