しんばくん さんの感想・評価
4.1
物語 : 4.5
作画 : 3.0
声優 : 4.5
音楽 : 5.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
民衆はカリスマを求めているのだろうか。【4.1】
物語:4.3 作画:3.0 声優:4.6 音楽:4.8 キャラ:3.6 【平均:4.1】 (70.9)
ジャンル :SFヒーローアクション
話数 :全12話 + 特別編(Blu-ray/DVD収録映像特典のディレクターズカット版)
原作 :タツノコプロ企画室
アニメーション製作 :タツノコプロ
監督 :中村健治
シリーズ構成 :大野敏哉
キャラデザイン :キナコ(原案)、高橋裕一
音楽 :岩崎琢
主人公声優 :内田真礼
OP :「Crowds」歌・作詞・作曲・編曲 - WHITE ASH
ED :「INNOCENT NOTE」作詞 - 渡辺なつみ / 作曲・編曲 - 新屋豊 / 歌 - 一ノ瀬はじめ(内田 真礼)
参照元 :Wikipedia「ガッチャマン クラウズ」
【あらすじ】
2015年初夏。日常に物足りなさを感じていた女子高生、一ノ瀬はじめは、突如目の前に現れたJ・J・ロビンソンより謎の手帳「NOTE」を授かり、フィクションであるはずの戦士・ガッチャマンとなる使命を受ける。予感を頼りに学校を飛び出したはじめは、そこでガッチャマンとして戦う・橘清音と出会い、フィクションが現実であった事を知る。 Wikipedia「あらすじ」一部抜粋
【特徴】
①情報化社会
②携帯端末
③ヒーロー
④東京都立川市
【長所】
①インターネットを利用する人ほどテーマに対して思案できる
②多数のメタファーを含む事
【短所】
①統一感が無く、粗い作画
【短評】
{netabare} 本作はインターネットの利便さを描く反面、脆弱さを描き、昨今の情報化社会に警鐘を鳴らすという内容でした。物語のあらましは主人公の(はじめ)を含むガッチャマン達がJ・Jから授かったNOTE(携帯端末)を利用して実世界で実害を引き起こす悪に立ち向かう。そんな中、ガッチャマン達とは別アプローチで世界平和を実現しようとする存在がガッチャマンに近づく・・・。という様な少し込み入った設定の作品。
まず長所①です。クラウズというタイトルから想像出来るかもしれませんが、専用アプリで情報を共有して悪に立ち向かう話です。普段日常でその様なアプリを利用する人やSNSサイトを利用する人ならメリットとデメリットを感じていると思います。そういったインターネットの良し悪しを描いた内容で多くの人は物思いに耽る事のできる作品だと思います。
続いて②です。メタ表現を随所で見受けられました。長所①と同様に物思いに耽ってじっくり考察できるタイプの作品だと思います。
次に短所です。車の作画がCGだったり手書きだったりで統一感がありませんでした。また、全体的に粗い作画だったので時間に追われて出来上がったかの様に感じられました。{/netabare}
【総括】
ジャンルはアクションを謳っていますが社会派アニメとも取れる内容でとても考察し甲斐のある作品でした。しかし、はじめの明るい性格から硬い雰囲気を感じず、気楽に観る事が出来ました。そして、少しでもSNSなどをかじった事の有る方であればお勧めできる作品だと思います。尚、アクションシーンはかなり控えめでしたのでアクション物としての観賞はお勧めしません。
【蛇足】
普段からインターネットを利用する人ならネットの利便さと脆弱さについて
一度は考えた事があるのではないでしょうか。
「私はインターネットをあまり利用しないから良く分からないだろうな」と思っている方でも
少なからず「あにこれ」を有効利用しているのであれば
何かしら感じ取れる内容になっていると思います。
因みに私はとても感慨深い作品だったなと思いました。
それに
メタファーについても高頻度で描かれるので絶えず色々と考えてました。
それにはじめのセリフも意味深で思慮を巡らす事が多かったです。
うん。
面白かった。
物語以外で良いと思ったところは
OPがオシャレというところ。
ED曲の歌詞は作品のテーマに沿っているところ。
テクノっぽいBGMも雰囲気に合っているところ。
ビビッドカラーの変身コスチュームが綺麗なところ。
それと
はじめのキャラデザインが可愛い。
逆への字の口とか
胸の近くまで上げた吊スカートとか
(私立幼稚園の制服みたい・・・)
●かつてのガッチャマン達の世界とは別
タイトルで損している気がします。
かつてのガッチャマンの面影の欠片も無いほど異なります。
唯一変身する事だけは同じですが
もはやオマージュ作品でも無い気がします。
ですので懐古する為の作風ではありません。
●登場キャラ
掘り下げは少ないものの存在自体に意味があります。
これもまた考察要素の一部だったりします。
●終盤の締め方について
あれで良かったのだろうか・・・。
けれど放り投げている訳ではなく綺麗に終わってました。
それに第2期が今年中に放送するみたいです。
タイトルは
『ガッチャマン クラウズ インサイト』
果たしてどの様な内容になるのでしょうか。
楽しみです。
●東京都立川市
本作のロケ地。
洗練された街並みです。
本編では駅構内、駅周辺が描かれていました。
都内に住んでいない私が立川市に行くと毎度「スゲー」となります。
それと
国営の昭和記念公園は都内にも関わらず広大なんですよね。
季節ごとに表情を変える素敵な公園です。
【思った事】
作中の世界では大規模な実害が描かれていますが
私達の社会でも至る所で実害が生じており
作中の世界と規模が異なるだけのように感じました。
情報は利用の仕方次第で良薬にもなれば毒にもなる。
つまり
情報は生活を潤す反面
誤った利用方法では実害の出る可能性が有るという事。
情報の扱いは取捨択一出来る能力を養っておかなければ
騙されたり自ら過ちを犯してしまうなど碌な事にならないでしょう。
更には
取捨択一といっても時間は有限ですし
膨大な情報量を捌くというのも中々面倒な作業。
全く以って情報の利用は簡単なのに難しい・・・。
何はともあれ
自分自身ネットリテラシーを良く分かっていないところがあるので
学びつつ規範意識を高めなければと思いました。