yapix 塩麹塩美 さんの感想・評価
3.7
物語 : 4.0
作画 : 3.5
声優 : 3.5
音楽 : 3.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
あの古い一軒家は誰の持ち物なのだろう?
ディティールにリアル感のあるお伽話。
と言ってしまっては夢がなさすぎるだろうか?
物語の設定なのだからとやかく言うこと自体が無意味なのかもしれないが、
30歳独身の男が6歳の女の子を一人で育てるというのは現実的ではない。
余程、周りの人間が無責任でない限りこんな選択肢は選ばれないであろう。
職場の理解も尋常でない。
民間でほぼ残業にのない部署があり、かつ、そこへの配置転換が本人の希望でなされるなんて、きっと、厚生労働省から表彰受けるような模範的な企業に違いない。
若しくは、そんな企業が多数派を占めるもう一つの日本が舞台なのであろうか。
周囲の理解も半端無い。
残念ながら、片親などの「普通」でない家庭への偏見は確実に存在する。
ましてや、姓も違う、メッチャわけ有りの家庭である。
たぶん、おおらかな土地柄なのだろう。
上記のような「ファンタジー」設定があったにしても、
ハートウォーミングな素敵な作品である。
人には相性というものがあるし、
大吉におじいちゃんの面影があったこともあるのだろう。
りんは最初から大吉に心を開いている。
大吉は子を育てるということに対する知識は持ち合わせていない。
が、大吉には「覚悟」があった。
りんがどうであれ、全てを受け入れようという覚悟があった。
100%を受け入れようと準備をしているところに、
100%の信頼感を持って飛び込んできてくれた。
こんな奇跡的な出会いを素直に喜びたい。
全編を通して、二人の関係が揺らぐ描写は一度たりともなかった。
それこそ、ファンタジーだ?
いえいえ、だからこそいいんです。
その暖かい温もりに触れることこそ、
この作品の価値なのだから。