Ka-ZZ(★) さんの感想・評価
4.3
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
たった一つの小さな想いから奏でられる珠玉の物語・・・
この作品の原作は未読ですが、ノイタミナ枠の作品という事で視聴を決めた作品です。
「4月は君の嘘」という一見何のジャンルなのかが分からないタイトルに興味を持ったこと・・・そして、花江さん、種田さん、佐倉さん、逢坂さん、そしてはやみんと豪華な声優陣の顔ぶれに視聴を楽しみにしていました。
物語が始まって音楽を題材にした作品だということは直ぐに分かりました。
ですが、正直序盤の個人評価は決して高くありませんでした^^;
自由に・・・意のままに音を奏でる・・・
楽譜に並んだ音譜が全てじゃなく、「自分らしさ」という彩を加える・・・
物語の序盤で奏でられた曲への向き合い方や周囲の反響は鳥肌モノでしたが、頭の中で「ピアノの森」の作風と被ってしまったことが、高い評価に繋がらなかった原因でした。
ですが、音楽は奏でるものであると同時に届けるものでもあること・・・
そして届けたい思いは、その曲にどれだけでも込められるということ・・・
これらのテーマに軸足を移してからは「ピアノの森」とは確実に一線を画した作品だと思えたと同時に、私の中で一気に評価が高まりました^^
この作品の主人公は幼い頃にピアノの才能を開花させた14歳の有馬 公生・・・
お母さんに最高の演奏をプレゼントしたい・・・幼い頃に描いた一途な思いで母の厳しいレッスンや友達と遊べない日々にも耐え忍んできました。
大好きだから・・・本当に大好きで大事だから・・・だから頑張ってきたのに・・・
思いが強すぎるが故にすれ違ってしまうこともあるんですね・・・
そのすれ違いが少年の心の大きな傷となって残ってしまったのです。
そんな公生を支えるのが、いつも一緒にいるのが当たり前になっている幼馴染の澤部 椿と渡 亮太・・・
とても仲が良くて、どこからも入り込む隙間も見つからない3人組だったのですが、ある日・・・友達である渡 亮太の事を好きだという宮園 かをりが加わり、一気に物語が動き出すのです^^
公生の奏でるピアノはとてもカラフルだと皆は言います・・・
それなら宮園 かをりは「存在自体」がとても鮮やかに彩られていてカラフルそのものだったと思います。
「性格最悪」「喧嘩上等」と公生から言われる程気の強い一面を持っていますが、その一方でとても寂しがり屋でもあるのです・・・
そしてコロコロとまるで猫のように表情を変える彼女は何事にも全力投入・・・
それは彼女自身がそうする必要性を強く認識しているから・・・
だから一生懸命笑って・・・夜空に瞬く星の煌めきに感動して・・・時には寄りかかりたくなるんですよね・・・
だからなのかな・・・
本当に大事な言葉は2度繰り返すんですよね・・・
それは相手にちゃんと届けるため・・・?
溢れんばかりの思いを胸に押さえ込むため・・・?
自分自身でその言葉を忘れないようにするため・・・?
決して長い台詞じゃないのに繰り返される言葉は想像以上に胸に染み渡りました。
でも、この物語はこれだけじゃありません・・・
近すぎて、当たり前すぎて気付けなかった事にもちゃんと焦点を当てているんです。
「あれ・・・?」
靴を手に・・・泣きながら全力で走り出す姿に思わず私も貰い泣きです^^;
オープニングテーマ
Goose houseさんの「光るなら」
コアラモード.さんの「七色シンフォニー」
エンディングテーマ
wacciさんの「キラメキ」
7!!「オレンジ」
どれも良い曲でしたが、7!!さんの「オレンジ」は涙腺に響く曲でした^^
2クール全22話の作品で終盤は毎回涙が止まりませんでした^^;
そして、私の大切なお気に入りの作品になりました。
最後に大好きだった台詞をしたためておきます。
「あがいて、あがいて、あがきまくってやる」
「届くかな・・・届くといいな」
「いっぱいいっぱいごめんね」
「ありがとう」