S.N. さんの感想・評価
2.8
物語 : 1.0
作画 : 3.0
声優 : 4.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
日常アニメにすべきだった
とても残念だ。
このテのアニメはキャラ萌えモノだから、最初っから最後まで日常アニメにするべきだった。いろんな艦娘たちを交えてね。
日常パート、ギャグパートは可愛くて面白い。
ただ、シリアスパート、および戦闘パートが残念。
3話で如月を死なせたのは、演出としてはありかもしれない。雑なフラグ乱立で唐突に死んだため、いまいち感情移入できなかったが。
シナリオにスパイスを加えるための演出として、日常パートから一気に非現実的で破滅的なシリアスパートに突入するものだと思っていたし、期待していた。
だが、その後、4話から緊張感のない日常パート、ギャグパートが続く。
特にギャグパート。
そこだけを単体として見れば面白いのだが、ここで圧し掛かってくるのが、3話の、如月の死である。
味方が死んだ後だというのに、あのようなお祭り騒ぎ…。
如月を死なせた演出の意味が、理解できなくなってしまった。
あれは、一気にシリアスパートに持っていくための演出だと思っていたのに。
このアニメは、その後も、日常パート、ギャグパートを繰り広げるのである。
そのような状況で、途中途中にシリアスパートを挟まれても、とても緊張感が無く、むしろ、見ているこちらが恥ずかしくなるような、ある種の「痛さ」すら感じられてしまい、折角の魅力的なキャラクターたちが、頭の悪いおバカさんに見えてくるという、たいへんな錯覚に陥るのである。
戦闘シーンの迫力の無さは、音やカメラワークの問題もそうだが、そもそもなぜ彼女たちが戦うのか、敵の正体は一体何なのか、その存在意義と、目的がはっきりしないため、戦闘そのものに対する緊張感が希薄である点が大きい。
それらの一部の謎については、最終話で意味深なシーンがあったが、そこに至るまでの経緯が雑過ぎて理解が追いつかず、むしろ、ずさんな複線回収に腹立たしい思いすら抱いた。こんなことのために、如月は死んだのか、と。
さらに、随所での艦娘たちの、能天気な態度というか、戦闘を舐め腐ったかのような談笑やら、あるいは慢心やら…とにかく、全体的に「軽い」のである。
よって死に対する恐怖心も軽い。これは戦闘モノとしては非常に致命的な欠陥だと言わざるを得ない。
そもそも武装した少女たちが海上でホバリングしながらスケーティングをする絵面はなんともシュールなのだが、これらの難点によって、より一層のシュールさと、ともすればマヌケさすらをも感じてしまう結果になっている。
最初っから戦闘とシリアスを排除して、艦娘たちが鎮守府で楽しく過ごすアニメにするべきだった。
そうすればこんな感想を抱くことは無かった。
正直、7話以降は見るのがつらかった。
題材が面白く、話題性も大きかっただけに、やや期待し過ぎの面があったことは否めないが、それでもやはり、この出来は残念だと言うほか無い。