きんてついくらどん さんの感想・評価
4.3
物語 : 4.5
作画 : 3.5
声優 : 4.5
音楽 : 5.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
100%対100% 人間と化け物の本気知恵比べ
交渉と同情の余地のない化け物に、団結した人間が全力で対処して行く、ていうどこかのテーマパークのアトラクションに申し訳程度につけられたストーリーとかファミコン以前のゲームなみにわかりやすい展開で物語が進んでいく。
ここまで仲間割れしないバトルものも珍しい。
細かい方針とか作戦の立案で議論することはあっても、基本的に人間側は最後までひたすら団結、協力、チームワーク。国家の垣根はもちろん、時代の垣根も簡単に超えて全人類が全力で敵に立ち向かう。
裏切り者も、黒幕もいない。嫉妬も怨嗟もなく、ひたすら地球外生命体をふっとばしていく。
だから、内輪揉めで急に足並みが崩れたり、実はこいつが悪役だった!とか、悪役にも辛い過去があった!とか、そういうのが一切なかった。
人類の実力100%を、そのまんま敵にぶつけて力で押しつぶしていくのみ。
敵は敵で、単なる動物。
陸上への進出を目論み、海の中で進化を繰り返しながら人間を食っていく。こちらも内輪揉めなし。こいつらを利用しようとする人間もいない。ただ単に陸を目指し、群れをなして人間をひたすら襲って行く。
物語というのは共有物である。
最近のアニメや漫画の物語を見るに、我々は結局一番怖いのは人間という認識を共有しているように思える。
妖魔、怪物、エイリアン、ゾンビ、バンパイア、巨人、地震、超常現象。
アニメや映画ではいろんな人外が人を襲うけれど、最後そして本当の敵はいつも人内にいる。
ノブナガンはそんな擦れた物語に浸って日々怯えながら暮らしている我々に、短絡的だけど本当は一番信じたい、でも信じれなかった物語を思い出させてくれます。
人類みな兄弟。地球外生命体など打ちのめすのみ!
「是非に及ばず!」