ミトス さんの感想・評価
4.4
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 5.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
スタッフに恵まれた傑作
まずこの作品は良い方向でアニメ映えしたと思う。その理由は音楽や演出、作画に相当な力を入れていたから。
ピアノやバイオリンの演奏を知らない自分でも、例えば作中で「音が変わった!」と言われた時の演奏の切り替えには鳥肌モノのシーンがあった。
演出面で言えば、心情風景を映しだしたシーンに迫力がついて集中して見入ることもしばしばあった。
作画は手を抜くとこは静止画を多様して、演奏の時に全力で動かす方式。
こういった漫画では表現しきない部分に、力を入れたからこその出来。
肝心の物語は主人公の成長に軸をおいた青春モノとして良い内容だった。
途中、公生のトラウマに多少辟易としたが、凪編ぐらいからは一貫していたし最後の演奏では完全に成長を感じさせて良かった。
{netabare}そして批判が多そうな、ヒロインの安直な死を利用してお涙頂戴を狙っているのではないかという件について。
これを完全に否定することはできないけど、肯定する意見ではないかな。ヒロインの病名を作中で一切明かさず、闘病描写を極力抑え、死亡シーンも描かず、死後の悲しみも描写されていない。
これだけで作者が重点をそこにおいていないことがわかる。それに多くの人が涙したのは宮園かをりの「死」ではなく、宮園かをりの「告白」だと思うから。 {/netabare}
ともあれ、タイトル回収が見事だったし最終話後に余韻に浸った作品は久しぶりだった。
まだ続いている『冴えカノ』を除き、今まで見てきたノイタミナ作品では1番の出来だったと思う。