chariot さんの感想・評価
4.2
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
劇場の良設備で観られた事に感謝。
2014年に1クール12話で放送された作品の劇場版になります。
劇場公開用に音響やシーンの再編集がされています。
本放送時から戦闘シーンがお気に入りでこのバトルを映画館のスクリーンで観られたら凄い迫力だろうなあと思っていましたが、その願いを叶えてくれた作品です。
特別興行につき一律2000円(各種割引も一切適用外)。
それでも高いと言う気にならないぐらい満足でした。
まず一番の満足を得られたのは音響。
元々音響さんは細部にまで気を配った気合の入った仕事をしている作品ですが、はっきりとTV版と違うと感じたのは継衛の出撃シーン。
射出された時の爆音が大きくなっていて、映画館の空気まで振動しているような臨場感溢れる轟音は鳥肌が立つほど。
それ以外でも斜め加速時に艦が傾いた時の軋む音やガラスの割れる音、機械の駆動音、宇宙空間での無音の音…高音質でどこまでもリアルで素晴らしかったです。
戦闘シーン。
勿論見応えありでしたが…これは僕の判断ミスで、結構前の方の席を選んでしまったので、全体を観るには近すぎでした。。
画面が近く迫力は十分だったのですが…紅天蛾戦などはかなり速く動き回るので追いきれず、ちょっと損したかも。。
ストーリー的には総集編。
130分という長い上映時間ではありますがやはりカットする所は多く、メインは長道と星白の関係になります。
それ以外は極限まで削ってます。
{netabare}山野さんなんか可哀想な末路を辿るのに頑張って候補生になったとか掌位の前に握手しないとか、そんな「どんな子なの?」という描写はカット。
海苔夫くんも継衛に対する執着とかほとんどカット。
そもそも継衛が英雄的機体である説明もだいたいカット。
赤井班も重力杯でトップ4だった、ぐらいの紹介で全滅コースへ。
ヒ山さん、ヒロキ、長道の関係もカット。
落合に関しては少し触れていますが、それこそカットしても良かったんじゃないか…と思ったり。(2期も放送終了後に劇場版やるのなら必要かな?)
その辺のドラマ性はかなり薄くなり、メインの星白、イザナ、ユハタを生かす方向で作られています。{/netabare}
どうしても戦闘(とそれに付随する損害)に重点を置いている作品なので削れる部分は狭まってしまうのでしょうけど、やっぱり人物関係を削ると時間が生み出す個々に対する思い入れは少し希薄になってしまうかもしれませんね。
ただ、全体として説明が足りなくてなんだか解らないようにはなっておらず、初見でもだいたいの状況は理解出来るように作られているように思いました。
残念に感じたのはやはり1週間待つ時間。
{netabare}星白戦死、ニュース番組のテロップを見た長道が絶句し次回に持ち越したTV放送は「はい??なんで?なんでなの??一体何があったの??」と気になって仕方なかったのですが、劇場版では当然すぐに何が起こったのか解ってしまう…
これだけは仕方ない事でどうする事も出来ないのですが、放送時の戸惑いは生まれず。(結果を知っているからというのもあるのかな)
尺の都合もあり、テレビ版での起こった惨劇を少しずつ時系列をばらして明かしていく手法も手短に済ませざるを得ないのは非常に残念に感じました。
{/netabare}
どれも本編を観たからこそ出る瑣末な愚痴レベルなので、既視聴者も未視聴者も気にせず劇場に向かって欲しいと思います。
あと数日で公開が終了してしまうのですが、劇場でこそ映える作品である事は間違いなく、出来れば劇場での鑑賞を強くオススメします。
ご自宅にホームシアターがある方はすぐ円盤が発売になるので是非ご覧ください。
…それ以外の方はまあ…手短にシドニアの騎士ってどんなの?と興味のある方向け。
基本は本編観ておけば観る必要はそれほどないと思います。。