野菜炒め帝国950円 さんの感想・評価
4.1
物語 : 3.0
作画 : 5.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
竹の中からこんにちは
誰しも1度は聞いたことのある竹取物語のジブリ版ですね。
知らない人は多分いないんじゃないかとは思うのだけど一応大雑把に説明すると爺さんが竹の中から女の子見つけたんで多分子も孫もいなかった?老夫婦が育てることに。
やがて美少女に成長したカグヤに都のお偉いさん方は猛烈アタック。
その気のないカグヤは無理難題吹っかけて軽くあしらいます。
そうこうしてるうちに月からお迎えが来たんで「じゃあの」と颯爽と月にお帰りあそばれるカグヤ姫様。
という超メジャーなタイトルをはたしてどう料理してくるのでしょうか。
実は以前になんかのCMでやたらハッスルした爺さんが姫コールしてた絵柄が妙に印象に残ってていつか見てやろうと思ってはいたのですが最近まですっかり忘れてました。
巷の評価はなにやら賛否分かれてるらしいですが個人的には非常に楽しめました。
まず特徴的なのはその水彩画のような独特な絵柄。
これが純和風物語に絶妙に合ってる印象です。
本作には乳首描写もあるのですがそこに不埒なエロさを一切感じさせないのはこの絵柄でこそなのではないでしょうか・・・。
さすが50億。伊達ではありません。
ストーリーに関してはすでにしっかりした原作があるとは言えなんと120分近くある本作品。
ガキの頃に聞いたカグヤ姫の話だけでは到底120分も持ちません。
そこでソコが制作側の腕の見せ所。
姫の幼馴染?のイケメンや教育係等のオリジナルキャラを盛り込み話を膨らましにかかります。
当然、元の話は知ってるんでこの先どうなるのかという興味はほぼ皆無なんですがそれでも十分楽しめます。
先に書いた絵柄だけでなくキャラの個性、心境の移り変わりが面白かったからではないかと。
月からの過剰な仕送りで妙な使命感に目覚め暴走していく爺さんに変わらない婆さん。
どちらも姫を第一に考えてこそというところがラストの悲哀をより際立たせます。
そして捨丸という名の幼馴染。いったい何を捨てると言うんでしょう?乞うご期待です。
通常であれば紆余曲折あれど99%姫と結ばれハッピーエンドを迎えるはずのこの男。
元の話を知ってれば結ばれることはあり得ないこのオリキャラのオチをどうつけるのか。
そこだけは興味を惹きます。惹いたんだけどなぁ・・・。
全体的に見れば中々の良作に見えるのですが不満というかよく分からん点も1つだけあるわけで。
すでに見られた方なら分かると思いますが本作には2度の夢落ち?シーンが存在します。
あれが未だによく分からない。本当に単なる妄想なのかそれとも現実なのか。
なんのためにあんな夢落ちとも取れる描写にしたのかの意図もいまいちです。
なんともすっきりしない気分。
それと原作があるんで仕方ないとは言えラストの展開が哀しいより先に胸糞悪いのもなんだか・・。
一体何様だと言うんでしょうあの月の連中は。
姫が去った後に残された育ての親の老夫婦はこれからなにを生きがいに生きていけと?Fuck ふざけんな作者。
婆さんの「連れてってくれ」的な台詞のとこが唯一泣きそうになったシーン。
ほんと胸糞悪い。感情のない月のクソ野郎共を月に変わってお仕置きしたい気分。
と最後に荒ぶってしまいましたが中々良い出来だったと思いますよ。不満点もあるけど。
尚、本作には罪と罰なんて格好のいいキャッチコピーがついてますが作中では特にソコには触れてません。
なので私も敢えて触れません。各人がそれぞれ違った解釈するのも楽しみの1つではないでしょうか。
べ・・・別に面倒だからスルーしたわけじゃないんだから!
まぁ罰のほうは容易に察しがつくけど罪のほうがいまいち分からんってのもありますが。