Lovin さんの感想・評価
3.6
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
観た感じ
■概要{netabare}
原作:川村美香(「なかよし」連載)
監督:桜井弘明
シリーズ構成:金春智子
キャラクタデザイン:音地正行
制作:J.C.STAFF
話数:全78話
OP1:「ハートのつばさ」
by 中島礼香
OP2:「HAPPY FLOWER」
by 奈良沙緒理
ED1:「BOY MEETS GIRL」
by TRF
ED2:「ゆっくり」
by 三重野瞳
{/netabare}
■感想
原作は未読でDVDを視聴。アットホームコメディ。
主人公の母親は宇宙飛行士を目指しており、この度見事宇宙飛行士の候補として選ばれ、父親はその手の研究者で母親と共にNASAに向かうことになるが、両親共に一人娘の主人公を伴うつもりは無く、主人公は旧知の仲である西園寺に預けられることになる。西園寺では主人公と同い年の少年を息子とする父子が暮らしていたが、父親の長年の夢であるインドでの修行の旅が実現してしまい、息子を残してインドに向かってしまう。お寺なので部屋は余っているとは言え、残された中学生二人の共同生活が始まるのかと思われたその時、時空の歪に捕らわれたと訴える幼児と奇怪な生物が迷い込む。
時空の歪に捕らわれた一団は、辺境の惑星オット星から来たという宇宙人で幼児の名をルゥ、奇怪な生物はシッターペットの名をワンニャーという。この一連の簡潔に書き難い急展開が全て第1話で起こる。もう少し砕いて書くなら、色んな境遇の面々が西園寺に集まる、と言ったところか。そういった意味では、第1話に立ち塞がるハードルは意外に高い。
こうして不思議な共同生活を始めることになるが、騒がれることを嫌う一同は、念動力が使えるルゥと変身能力があるワンニャー(何れもオット星では常識)が宇宙人であることを隠そうとする。だが、一癖も二癖もある(1stルパンOPのような言い回しだが)キャラ達に苦労させられる。
主人公である光月未夢(こうづきみゆ)は普通の女子中学生。西園寺の一人息子は西園寺彷徨(さいおんじかなた)も普通の男子中学生ではあるが、学校では女子からの人気がある。それはつまり、彼に対して好意を持つ女子が西園寺を訪れるという流れでもあり、そういったエピソードでは秘密を守るのに躍起になる面々が描かれている。
この作品のサブキャラは本当に多彩で面白くブレない。未夢と仲良しになった二人のうち普段おとなしいキャラは、実は演劇部員で演劇に関しては人格が変わったり、作者を投影していると思われる謎の漫画家「山村みかん」が登場したり、年齢からは想像できないほど経験豊富な担任教師が居たり(流石に「以前CIAに勤務していた」発言は守秘義務の観点から有り得ないだろうが)。
しかし一番インパクトがあるのは、彷徨のことが好きで嫉妬深いが意外にシャイな花小町クリスティーヌだろう。彼女は想像力がそこそこ逞しく、秘密を守るために未夢と彷徨が内緒話をしているのを見てはあらぬ想像をして暴走する。暴走により何時も規格外の腕力を発揮して器物を破壊してしまうが、直後に我に返り破壊したものを修繕するため工具を常備しており、手先が器用。そういうネタの部分がストーリー展開に絡んでいるエピソードもあった筈。彼女曰く御転婆らしいが、御転婆で済むレベルか否かは視聴者の常識次第だろう。
全体的に刺激やお色気が少なく、落ち着いた結末となるため、対象年齢が低いうる星やつらだと言えなくも無い。恋愛関連の話も中学生らしく、その気は無いのに意識してしまう、といった程度の年相応の話ばかりで、小難しい駆け引きの絡む描写はない。
初見時はスタッフに注意を払っていなかったが、監督は桜井弘明、シリーズ構成は金春智子と、何となく想像していた通りだった。他作品で名前を覚えたスタッフとしては、見逃しはあるかもしれないが、作画監督に杉本功、脚本に丸尾みほ、池田眞美子など、今も活躍されている方が居り、個人的にはニンマリしてしまう。あと気になったのは、原画担当者が毎回4人程度だったと言うこと。本当にそんな人数で消化できていたのだろうか?
ただメインのキャストには期待しないほうが良い。詳しくは知らないが、中学生を声優として抜擢したらしく、演技もへったくれもない。現在は三人とも活躍されており、彷徨の中の方は先日無事に出産されたらしい。サブキャラはかないみか、千葉千恵巳、皆口裕子、緒方賢一、池澤春菜、西村ちなみ、榎本温子など妥当なキャスティングと言える。あとスポットで滝口順平、玉川紗己子、日高のり子、三石琴乃、沢城みゆき、野上ゆかな(後に準レギュラーを担当)などが参加している。さゆりという役名はあるが限りなくモブに近い扱いのキャラに後藤邑子も居る。
基本的に大騒ぎはするが、納得いく結末に落ち着く、低年齢層向けの作品のため、改めて見直す必要も無いと思うが、桜井弘明監督の他作品を気に入った方になら、きっと満足頂けるという確信はある。殺った殺られたの話には派手さはあるが、時には落ち着いて餓鬼共のヤンチャを鑑賞するのも悪くないと思う。
■感想{netabare}
家庭科が担当の担任教師が教える「ぞうきんにフリルは必要か!!」の
証明に必要な定理は「USO=800」である。
あとゴットゥーザ様、元気になったかな?
{/netabare}