zu さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
VON=希望
1話から最終話まで充実した内容でした。
作画・音楽・声優さんが全てストーリーとマッチしていてとても統一感があり、現実に起こったら大問題になる難しい題材を組み込みながら、それを非常にうまく扱ったいい作品になっていると思います。
オリジナル作品ということで次の展開が読めないので、いつも次に何が起きるのかとわくわくさせられる構成でした。
ストーリー的には、序盤の東京都庁の突然の爆破テロで、事件前に予告を匂わす動画が投稿されていて、数年前に関わった政府要人の事件から閑職に追いやられていた刑事柴崎は、事件に興味を持ち始め、次第に核心へと迫っていくことになる。
テロを起こしたのはスピンクスと名乗る少年2人で、ただの少年とは思えない巧妙な手口で、警察を翻弄していく。
爆破テロという甚大な被害が出かねない事件だが、毎回必ず死亡者は無く、怪我人も最小限に抑えられるよう緻密に計算されていたのだった。
スピンクスと柴崎の頭脳戦に普通の女子高生リサやスピンクスの2人であるナイン、ツエルブと呼ばれる少年たちの過去を絡めながら物語は思わぬ方向へ動いていくという展開でした。
爆破テロを題材にして、アニメとしてよく企画が通ったなぁ!と驚きを隠せない作品でした。
それだけリアルにテロ行為や現実世界を取り入れた形になっていて、ナイン・ツエルブ・ハイヴに深く関係している極秘事項の「アテネ計画」と呼ばれる謎も下敷きになっていましたが、実際にそんな極秘事項が存在していたら恐ろしい事ですよね!!
それだけデリケートで難しい題材を取り扱いながら、菅野よう子さんの素晴らしい音楽と、リアルで美しい映像が相乗効果を生み、非常に面白く飽きさせない「作品」として物語を締めくくれているのは非常に素晴らしなぁと思いました。
ナイン、ツエルブ、そしてハイヴの背負ってきた運命は非常に辛く悲しいものだと思うし、残り少ない人生だと知りながらも彼らは自分の想いを遂げる為に一直線に生きてきたのだなぁと思うと、人として強いよなぁと感じましたね。
また、作品の清涼剤であり重要な役割を担っていたリサと柴崎は、最後までブレのないキャラで、好感が持てたな。
最終話のナインが柴崎に最後に「俺たちを、覚えていてくれ、俺たちが生きていた事を」一言が、この物語の全てじゃなかったのかなぁ!
それと現実にあったら困るけど、高高度核爆発により発生するオーロラは見てみたいなぁと…(・・;)
あと、米軍の介入はちょっとやり過ぎだよなぁ!!
物語の表面だけを見ていると物騒なアニメだと思いますが、回が進むごとに明らかになっていく謎や人間関係が非常に魅力的だったし、タイトルの「残響のテロル」も物語を深くよく表していると思いました。
少し重めで面白いとか楽しいという作品では無いと思いますが、全体的には素晴らしいアニメなので、シリアスな展開が好きな方には、良いのではないのかと(^^♪