こたろう さんの感想・評価
3.8
物語 : 3.5
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
恋愛モノとしては良作
”戦争”ってついてますが、主題は恋愛ものです。
言論統制を廻っての、国内紛争(っぽい?)の現場が舞台となっています。
メディアに対する検閲と表現の自由を保護する2つの勢力が、超法規的にドンパチをやって命の取り合いをしているという無茶苦茶な世界。一見それっぽく語ってますが、穴だらけで荒唐無稽すぎる設定です。
まぁ、そこはフィクションだからということで飲み込んだとしても、正直この設定が活かされているとは言い難い。
警察や軍が舞台でも同じような事はやれますよね?
ストーリーは新人隊員である主人公(女)と、その教官の恋愛が主軸。
最初は嫌いだけど、だんだん好きになっていくという、少女漫画的な王道のプロセスを踏んでいます。
1話目からオチが読めますが、王道ゆえに面白い。
キャラ紹介で『熱血バカ』と解説されている主人公の直情ぶりと、周りを取り巻く人々のキャラクター性で、最後まで楽しく視聴できました。
「戦争」の部分は、重火器がない(あったらシャレにならないけど)ので、自動小銃での撃ち合い。
実弾ですがバリケード越しに牽制しあい、防護装備も充分、襲撃時間も事前に判明している、ある意味予定調和の戦闘です。
検閲対象を押収する側とそれに抵抗する側の争いで、相手を殺す事が目的じゃないから、その程度。
戦争じゃなくて「武力衝突」といったものです。
冒頭でも少し書きましたが、ドンパチの世界でのラブストーリーをやるだけなら警察でも軍でもいいわけです。
ただ、メディアに対する弾圧が云々をテーマにしたアニメを、そのメディア自身が放映することには違和感を感じます。
メディア良化法=悪法
言論の自由を守る図書隊=正義
エンターテイメントである以上、善と悪を明確化するのに異論はありませんが、TV局自身がメディアの側に居る以上、その理論が空々しいものにならないようメディアの闇の部分も明確にして作って欲しかったです。
メディア良化法が制定された経緯とかね。
原作小説がこういう世界をベースにしたお話を作ったら面白いだろうと取り入れたのとは別の意味で、アニメにするときは色々と神経を使うべきかと思います。
まぁ、考えすぎかもしれませんが・・・・
難しい設定は抜きで、恋愛モノとしては充分楽しめる作品です。
恋愛好きな方、どうぞごらんください。