youkey0627 さんの感想・評価
4.1
物語 : 4.0
作画 : 5.0
声優 : 3.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
アニメというよりは、映画として良かった作品。
宮崎監督、ケジメの作品ですね。
これまでのどの作品とも違い娯楽的要素はほぼ無く、映画人としての自分を表現する為だけに作った作品のように思います。
これまで「カリオストロ」から長年「宮崎作品」を愛してきた僕ですが、最後にしてとうとう劇場では観る事はなく、ようやくTV放送で観ました。
・・・つまり全く期待はしていなかったと言う事です。
ですが、図らずも軽く泣いてしまいました。
良い作品だった。
開始から全体の2/3は正直言って退屈でした。
相変わらず作画も演出もとても丁寧で綺麗ですし、所々に史実に沿った緊張感もあって、決してつまらないというわけではないのですが、過去の宮崎作品に慣れている身として何も起こらなさ過ぎです。
娯楽作品ではないので仕方はないのですが、ここまでゆっくりと描かれるとさすがにね。。
ですが{netabare}「菜穂子」が倒れた辺りから{/netabare}グッと引き込まれ、余韻を残されたまま終わってしまいました。
今回は過去の作品と違い期待していなかったので、逆にほぼ事前情報無しで観たのですが、基本的にこれはノンフィクションだと思っていました。
ですので「二郎と菜穂子」が哀しくて、本当の二人はどうだったのだろうと思い、鑑賞後に調べてみました。
{netabare}「実話」ではないのですね (^^;>
実在の「堀越二郎」を描いてはいますが、ストーリー自体は「風立ちぬ」という小説をモチーフにしていて、「菜穂子」は実在せず、本当の堀越二郎さんも円満な結婚生活を送って、6人ものお子さんをもうけたそうです。
しかも試写会にはそのお子さんも来られていたそうで。
ただ僕としてはこの事実を知っての感想は、「なんだ作り事かぁ」ではなく「事実じゃなくて良かった」です。
それだけ映画の登場人物としての「二郎と菜穂子」は良かったし、逆に事実なら「本当に二人が可哀想で仕方ない」と思いながら観ていましたから。{/netabare}
もしこの作品が宮崎監督作でなければ、きっと観る事はなかった(知名度ももっと低かったでしょうし)と思います。
と言うのも、僕は基本的にアニメにはエンターテインメントを求めるので、感動や興奮がないと楽しめないからです。
(アニコレで評価が高い作品でも、エンターテインメント性の低い作品はまず観ていません。)
なのでこの作品はどちらかというと、僕が‘映画ファン’としてお勧めしたい作品と言えると思います。