退会済のユーザー さんの感想・評価
4.5
物語 : 5.0
作画 : 4.5
声優 : 5.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
「そんなものは設定だ!気がつかなかったのか!?」
アニコレで非常に評価が高いので楽しみにして観てみた。結果は大満足、実に面白い作品だった。
主人公は、18歳にもなって重度の厨二病をこじらせたまま、秋葉原を拠点に日々役に立たない発明に没頭している大学生岡部倫太郎・・・でなくて鳳凰院凶真。その岡部・・・じゃなくて鳳凰院凶真が、偶然にも過去にメールを送れる機械を作り出してしまったことから世界が動き出す壮大な話。
最初の何話かはヲタクたちのゆるゆりライフを堪能する「ヲタおん!」的な流れで、主人公たちの掛け合いを楽しむような日常系アニメ。もちろんその中にも重要な伏線が分かりやすく散りばめられているのだが。
ところが、話数が進むごとに見ているこちら側にもどんどんとのしかかってくるモノがある。
「不安」である。
このあたりが個人的にはドキドキしたところ。仲間たちは普段と変わりない日常を過ごしているのに、ある理由から鳳凰i・・・岡部だけは日常から切り離されてしまい、ただただ不安だけが風船のように膨らんで行く。徐々に重圧に耐えられなくなってくる岡部は「もう実験はやめた方がいいのではないか?」と思いつつも、止められずに成り行きで進んで行く事態を眺めている。
この時点では彼は傍観者なのだが・・・12話で風船が破裂し、本当は当事者だったことを思い知らされてしまう。
その先はもうジェットコースター。残りの話など一気に見てしまった。
自分は傍観者であり、安全地帯から推移を見守っているだけ、自分だけは大丈夫と思いがちな僕らに、運命は非常なまでに当事者ぶりを思い出させてくれる。それに気がついた人間が強くなって何かを成し遂げていく。こういう「人の想い」を乗せた物語は大好きな話。
サスペンス色が強い作風だが、登場人物がネットスラングを多用するのでその辺は好みがあるかも。