101匹足利尊氏 さんの感想・評価
4.2
物語 : 4.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
SF設定を練り上げ、生かしていく楽しさ
原作コミックをちらりと立ち読みして視聴を即断したSFロボットアニメ。
SF諸設定に作品独自の専門用語を付していくという、
SF世界構築の王道を行く本作。
ともすれば〝痛さ"を感じかねないSF設定用語の絡み合い。
けれど本作の場合は終始ワクワクしながら鑑賞できました。
オリジナル専門用語の羅列がしばしば〝病"と認識されるのは、
設定を考えるだけ考え、用語をひねるだけひねり出しておいて、
投げっぱなしにするからだと思われます。
こうなると折角考えた独創的な用語の数々も頭痛の種でしかありません(苦笑)
その点、本作は考え出したSF設定をきちんと自己消化した上で、
世界観やキャラ、物語にどう反映することができるのか。
熟慮が感じられ大変好感が持てました。
正直、SF設定自体は既視感のあるものも多かったです。
けれど陳腐と思われたSF設定もストーリーと突き合わせ、突き詰めていくことで、
まだまだ印象的なシーンを視聴者の心に残すことができる。
〝白"が際立つ独特のCGアニメーションから進化を実感すると共に、
これからもきっと面白いSFアニメを見られるに違いない。
という希望が沸いて来ました♪
本作もまた多くのロボットアニメ同様、青春も描きます。
そこにもSF諸設定と青春の1ページとの突き合わせが伝わってきて好感触でした。
男女の青春に対して、宇宙服にああいう絡め方もあるんだなぁと、
ドキドキ、ニヤニヤしながら拝見させて頂きました(笑)
SF設定に基づいたこだわりの映像化の中でも、個人的に地味に一番印象に残ったのは、
どのパイロットも訓練と戦闘を重ね、スーツやヘルメットが傷み、年季が入っていたこと。
いつも新品同様に輝いている他のロボットアニメのパイロットスーツとは一味違う。
ふと中学の頃、自転車通学で、時に風雪にさらされ、
塗装が剥げるまで、ぼこぼこ使い倒された、相棒のヘルメットのことを思い出しました(笑)
懐かしい気分に浸りつつも、一方で、パイロットスーツが刻んだ戦いの日々を思い、
何とも言えない渋い感傷が芽生えて参りましたw