あしすと さんの感想・評価
4.1
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
自分は経済脳じゃないんだな~と、つくづく感じました
有名なアニメなので改めて触れる必要はないかもしれませんが、「ヨーロッパ系世界観型のファンタジー経済商取引アニメ」という作品ですね。
この作品の主人公はアニメ作品にしては珍しいことに「商人」なので、作中のイベント(事件)は商取引によるものになるわけです。
私は経済や商取引はまったくの専門外なので、この作品内で取り上げられている経済理論のレベルが本格的なものなのか、それとも初歩的なものなのかは分かりませんが、どちらにしても物語展開上の魅力はその部分にあるのでしょう。
そうすると、この作品を視聴する上での重要ポイントは商取引展開に対する適性になると思うのですが…、自分はそれが低かったようです(笑)
つまり、自分の「面白い」と感じるツボではなかったのです。
ちなみに、ここでの「面白い」は『fun』ではなく『interesting』の意味です。
小難しい話をストーリー展開の中核に据える作品で、例えば「氷菓」「化物語」「DEATH NOTE」あたりと比較するなら、自分はこれらの作品には『interesting』を感じるんですが、この「狼と香辛料」には『interesting』を感じないということです。
しかしですね、別にストーリーに不満があったわけではないんです。
むしろすごく丁寧に作っている良作品だと思っています。
アニメオタクじゃない人が最初に観るアニメとしてお勧めしたい作品です。
だからこそ、結局は適性の問題であって、自分が経済脳ではないということなんだな~と痛感した、という話ですw
(キャラクターについて)
話は変わりますが、この作品は「大人」が主人公という意味で、キャラクター設定が特殊な作品でもありますよね。
それが特に現れるのは恋愛表現についてでしょうか。
(この1期の時点で主人公たちの関係性が「恋愛」なのかは厳密には分かりませんが、傍目から見たらイチャイチャしてるようにしか見えないので、まぁそこは恋愛と言い切ってしまうということでw)
で、恋愛表現が特殊だというのは、大人の主人公たちが無駄なすれ違いをしないということです。
主人公が中高生の作品だと、言いたいことが言えなかったり、思っていることと反対のことを言ってしまうなどですれ違いが起きることが多いですよね。
しかも、見てるこっちがイライラするくらいのあまのじゃくを発揮しやがるキャラもしばしば。
いやもちろん、それで話が展開するというのは分かるんですが、すれ違いの原因があまりにも稚拙だと、見ている側としてもついていけなくなります。
しかし、この「狼と香辛料」。
主人公たちは割と言い合いもしますが、お互いに自分の思っていることをきちんと相手に伝えますよね。
中高生キャラならそこからすれ違いになりそうな場面でも、きちんと気持ちを伝えるからケンカが長引かない。さすが大人キャラ。
いやもちろん、現実だからといって中高生カップルがアニメみたいなケンカをするわけではないですから、このロレンスとホロの関係性を「リアリティがある」とまで言うつもりはないんですが…w
そうは言っても、アニメ世界のステレオタイプな中高生カップルと比較すると、この作品の二人はアニメ界においてはやっぱりかなり特殊な恋愛表現かな、とは思いますね。
そんなホロとロレンスの心地よい関係性も、この作品の魅力なのだと思います。