ぽぽんぷぐにゃん さんの感想・評価
4.9
物語 : 4.5
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
2014年の最高傑作?
2014年のアニメは、日本のアニメ史に残る出来事が多かった。
21世紀始まって以来のアニメ冬の時代と言われる、名作候補の不在。
日本アニメ史上1、2位を争う凶作、「魔法科高校の劣等生」の存在。
この存在は、現在のエロゲーさながらの緊張を生み、他勢力が割って入ることを許さない。
もう一波乱、欲しい。誰か、この煮え切らない膠着を打開する者はいないのか?最後の最後に現れて、全てを解決して去っていく痛快な存在。
そう、「ヒーロー」のような……。
そんな空想にスレ住人がふけっていたある日、稲光が走った。
約束されたダークヒーローが、今回もやってきたのだ。
2012年覇者を擁する「ソードアートオンライン」の続編だ。
本作の舞台はファンタジー世界ではなく、SF世界。
「オンラインゲーム犯罪者を逮捕するためにSFFPSゲームに乗り込む」、という設定であり、魔法や剣の変わりに科学兵器や銃で敵を殺す。ジャンルとしてはFPSもどきのものだ。
と、説明を聞く分にはそれなりの中堅作品であるように感じさせるが、実際に視聴者が目の当たりにしたのは、SFアニメの歴史を塗り替える記念碑的な革命作品であった。
なお、一点補足しておきたいことがある。このゲームはオタク向けだ、オタクが楽しんでいるのであればいいはずだ、といった擁護に対しての話だ。
まず、本作の主人公はリア充である。実際、現実世界での描写は全くオタクでない。
だがそれ以前に、『ソードアートオンライン』シリーズを通じてオタクがオンラインゲームの未来を知ってしまうことの意味を、もう一度考え直していただきたい。
我々が子どものころ見たオンラインゲームアニメ(2000年代)は、生命ではなく娯楽のために遊び、ふとしたことで心を痛める等身大のオタクたちのドラマであった。断じて、本作のように、リア充がオタク世界で資金や生命を掛けた殺伐したゲームではなかったはずである。こんなゲームで遊ばせるくらいなら、他のゲームをプレイした方がいくらかマシであると、声を大にして言いたい。