そふぃ さんの感想・評価
4.6
物語 : 4.0
作画 : 5.0
声優 : 4.5
音楽 : 5.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
「雷神の 少し響みて さし曇り・・・」
[あらすじ]
靴職人を目指す高校生・タカオは、雨の朝は学校をさぼり、日本庭園で靴のスケッチを描いています。
そこで出会った、謎めいた年上の女性・ユキノ。やがて二人は約束もないまま雨の日だけの逢瀬を重ねるようになり、
心を通わせていきますが、梅雨は明けようとしていました-...。
[感想]
この作品は映画といっても短編で、45分で観ることができます。
45分で終わる作品なので、ストーリー自体に厚みがあるというわけではありません。逆に考えると45分のアニメなので、普段アニメを観ないような人でもすんなり入ってこれると思います。
決して重厚とはいえないストーリーですが、演出や表現、そして映像の美しさによって、主人公の言葉は観る人の心を激しく揺さぶるものになっていました!
45分の脚本でここまで表現できるのは新海誠監督の手腕と声優さんの素晴らしい演技があるからだと思います!
他の人が作ってもここまで美しい作品は作れないでしょう。
作画ですが、おそらく僕が今まで観てきた作品の中でダントツに綺麗でしたというより、美しかったです。雨と水の描写には圧巻でした。芸術的なものも感じました。きっとアニメ史上でもトップのクオリティーだとおもいます。
エンディングテーマは、大江千里さん作曲の「rain」を秦基博さんがカバーしたものになっていますが、この曲がまた映画にマッチしていてとても素晴らしいです!映画の為に作られた曲でないのに、この曲を選んだのには感銘をうけました。
新海誠監督の次回作にとても期待です!!
最後に、この物語のカギとなるユキノとタカオの短歌より、
「雷神(なるかみ)の 少し響みて さし曇り 雨も降らぬか 君を留めむ」
「雷神(なるかみ)の 少し響みて 降らずとも 我は留らむ 妹し留めば」