スーパースラッガー さんの感想・評価
5.0
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
終わらない放課後なんてないんだ・・・でも、だからこそ青春は輝く☆
つい先ほど、『けいおん!!』を最終話まで視聴終了しました。
いやー、これは世間の評判通りの最高傑作ですね☆
キャラクターが魅力的なのは言うまでもないですし、お話も全然飽きないし、さらにはほのぼのとした笑いと、ほろっとくる感動の場面の両方が効果的に盛り込んであって、通して観た後もまた観返したくなるような素晴らしい出来だったと思います。
1期(『けいおん!』)と決定的に違うのは、学園生活の「終わり」をきっちりと描いたところだと思います。
いつの時代でも、漫画でも小説でもアニメでも、学園を舞台にした青春ストーリーは多くの人々に受け入れられます・・・それはなぜでしょうか?
私はその理由を、学生時代の青春が「期間限定」という宿命を背負っているからではないかと思います。
どんなに濃密で、美しく輝かしく、楽しく充実した時間であっても、学生時代の青春は必ず数年で終わります。
終わりの時期が最初からはっきりと決まっているからこそ、若者たちはその限られた時間の中において本気で楽しんだり、努力したり、情熱を燃やしたりすることができるのではないでしょうか(アニメではないですが、毎年高校野球を見るたびにそんな感じがします)。
{netabare}本作『けいおん!!』においても、お話の終盤ではかなり「高校生活の終わり」を強く意識して描いていたように感じました。
1期『けいおん!』は、お話のステージが、唯ちゃんたちが高校生活の終わりを意識するような時期ではない(高校入学~2年生)ので、最終回を迎えても、ひょっとしたらこの学園ライフはいつまでも楽しく続く、終わらない日常ではないかとさえ思えるような雰囲気でした。
もちろんそれはそれで楽しくていいのですが、2期であえてそれをきっちり終わらせたことで、かえって「唯ちゃんたちの青春の純度・輝き・プレミアム感」が高まったように思います。
私はアニメ視聴前に原作漫画を読了していたので、アニメでも最後は高校卒業まで描くのだろうとは思っていましたが、ここまで「高校生活の終わり」を丁寧かつ大切に描いてくれるとは思ってもみませんでした。
これは製作スタッフのみなさんの作品にかける並々ならぬ愛情と、1期の倍の24話という長い枠の中にいろいろなドラマを盛り込むことができたことによる成果ではないかと考えています。
加えて、山田尚子監督以下、製作のメインに女性スタッフが多くかかわっていたことで、女の子のちょっとした気持ちの揺れや機微にふれることができて、作品の情緒が一層深まったと思います・・・お話の随所に、男性の私では到底思いつかないような発想で描かれたシーンがたくさんありましたね。
最後の文化祭(終わってからのシーンがまた良かった!)、そして卒業式前日のテープ録音、卒業式終了後に4人からあずにゃんに贈った歌のプレゼント『天使にふれたよ!』・・・とくにこの三つのシーンでは、私自身が放課後ティータイムの関係者であったかのような感慨にふけり、つい涙がこぼれてしまいました。
観ていた私の立ち位置は、言うなればさわ子先生、もしくはあずにゃんの視点といった感じでしたね。{/netabare}
これだけ高校生活を本気で楽しめた唯ちゃん・澪ちゃん・ムギちゃん・律ちゃんは、3年間にほとんど悔いはないだろうと思います(きっと4人いっしょの大学生活も楽しいものでしょうね♪)。
また、そういう先輩(あるいはお姉ちゃん)を間近で見てきたあずにゃん・憂ちゃん・純ちゃんは残された1年間の高校生活を、きっと唯ちゃんたちに負けないくらい楽しく充実したものにしていくことでしょう。
・・・私もこんな学園生活を送りたかったなあ(ちょっぴり遠い目^^;)。
追記:
一時期、前半のOP曲『GO! GO! MANIAC』がずっと頭から離れなくて、一日中ノリノリ♪という状態が続いていました・・・聴けば聴くほどハマっていく、いわゆる「スルメ曲」ですね^^
テレビバージョンももちろん良いのですが、フルバージョンラスト近く、「No No Music, No Smile」から始まる、あのたたみかけるパートにはめっちゃシビれますね!
唯ちゃん役の豊崎愛生さんには、こんなに難しい歌をキャラ声でよく歌いこなせるなあと感心しきりです☆