「弱虫ペダル(TVアニメ動画)」

総合得点
78.3
感想・評価
1239
棚に入れた
6639
ランキング
562
★★★★☆ 3.8 (1239)
物語
4.0
作画
3.6
声優
3.8
音楽
3.6
キャラ
3.9

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ネタバレ

STONE さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 3.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

主人公のシンプルな強さ

 原作は未読。
 スポーツに不向きな印象だった主人公がメインモチーフである競技に触れたことから、才能が
開花する・・・、というのはスポーツものの定番の一つだが、「はじめの一歩」、
「アイシールド21」などがいじめられっ子だったの対して、本作の主人公である小野田 坂道の
場合はオタクというのがこの作品の特徴で、ある意味時代を感じさせる。
 このオタク設定だが、単に小野田を特徴づけるネタ的要素だけでなく、佐倉から秋葉原まで
自転車で通っていたのが、自転車競技未経験の小野田が基礎体力を持っていた設定にうまいこと
結びついているし、苦境に陥った時にアニソンを歌って精神的に立ち直っていく展開は面白く、
小野田の武器の一つになっている。

 この小野田の成長を軸に話が進められていくが、精神的部分は先輩や仲間との交流による
ものが大きく、体力的な部分は過酷な練習によるもの。
 そしてスキルやハード部分に関しては、ギアのないママチャリに乗っていた小野田がサドル
位置の変更から始まり、自転車そのものやスキルなどの武器?を一つづつ得ていく展開は
メカ系バトルものにおけるパワーアップパーツのようで面白い。
 小野田の強さの理由だが、「前に追いつく」、「ケイデンスを上げる」、「部長のオーダーを
遂行する」とシンプルであることも印象的。
 きつい状況でも追い上げている時は笑顔で楽しそうだが、後ろに付かれた側にしてみると、
怖いものがあるんだろうなあ。

 小野田以外も同じ総北高校の仲間、ライバル?である箱根学園のメンバーを始め、よく
キャラが立っており、更にいずれも濃いメンツばかり。
 その中でも一際印象的なのは、やはり京都伏見の御堂筋 翔かなあ。もはや人間離れしている
感もあるが、この作品外も含めてもかなり印象度の強い悪役キャラだと言えそう。
 こういった主役以外のキャラ達だが、単に濃いだけでなく、3クールの強みを活かしてか、
それぞれのキャラの物語を描いており、こういった掘り下げがよりキャラを印象深くしている。
 前述の御堂筋の物語はなかったが、これは2期に期待といったところ。

 その反面、当初は小野田と関係が深くなっていきそうな雰囲気だったメインヒロイン?の
寒咲 幹や、頭脳で総北を支えていくのかと思われた監督のピエールなどの選手以外のキャラが
ドンドン影が薄くなっていくのが気になったが、中盤以降はインターハイの試合描写中心で
あったため仕方ないかな。

 競技の展開自体は、超常現象のようなトンデモ技こそ出てこないものの、登場キャラ達の
無尽蔵とも思える体力などは充分トンデモといった感じで、非現実的と言えば非現実的。
 ただ、「ここでこうなってくれると嬉しい」といったようなシーンでは、それを叶えてくれる
ような展開が多く、そういった意味ではリアリティよりカタルシス重視といった印象。
 ムチャな展開こそあれ、とにかく熱さを感じさせてくれて、引きこまれるものがあった。
 結局、インターハイ2日目のゴール直前というやけに切れの悪い部分で終わってしまったが、
この辺は2期に期待といったところ。

 箸休めと言えそうなCパートも結構楽しかったし、個人的にはあまりよく知らなかった自転車
競技について知ることができたのも良かった。

投稿 : 2015/03/08
閲覧 : 304
サンキュー:

6

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