たむりん さんの感想・評価
3.6
物語 : 3.5
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 3.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
極論だけど、道徳の授業で観せてもいいかもしれない
昔読んだとある本に「勉強するのは好きだけど学校に行くのは嫌で嫌で仕方がない」という節がありました。その作家曰く、「煩雑でややこしくこじれた学校での人間関係は、勉強以上に面倒くさくしんどいもの」なのだそうです。
僕自身、比企谷のような「こっち側」の人間として学校生活を送ってきたことがあります。それが善だとか悪だとか言う気はありませんが、単純に「嫌で嫌で仕方なく」日々を過ごしてたことは確かです。
主人公である比企谷は、「ボッチ+卑屈+死んだ魚のような目」という、ともすればアニメの主人公として失格の烙印が押されそうなキャラです。しかし、曲がりなりにも彼の主張には骨があり、共感できるものがあります。
集団愛を唱えたり、「努力すれば報われる」と信じてやまない人々に対する強烈なアンチテーゼのような要素を感じる、非常に稀有なタイプのアニメです。
観て気持ちが晴れ晴れするわけではありませんが、かといって「観ない方がよかった」と感じることのない作品だと思います。