勇者みゆきす さんの感想・評価

4.8
物語 : 4.5 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 4.5 キャラ : 5.0 状態：観終わった

きれい

　最初に題名を見た時は田舎の農業の話なのかと思って、正直あまり期待していなかった。けれど、見始めた途端にその印象はがらりと変わった。一人の男が大筆を手に暴れながら字を書いていたのだ。そこから一気に興味がわき、どんどんその物語に吸い込まれていく。

　なんといってもＯＰが素晴らしい。自分らしさって何だ？という問いかけとともに、一人の小さな女の子が元気に扉を開け放つ。まるで暗い世界にいた自分を明るい世界へ連れて行ってくれるように感じた。絵がとてもきれいで、何度見ても飽きなかった。むしろ毎回鳥肌が立つレベルだ。また、歌の歌詞がそのままストーリーを表しているかのように、私たちに語りかける。

　ストーリーは、ある天才書道家が問題を起こして離島に飛ばされるというものだが、その主人公である天才書道家、清周が島の人々に触れて、人間的に成長していくというところがとても面白い。初めは毛嫌いしていた子供たちともどんどん仲良くなっていき、気付くと毎日一緒に遊んでいる。そんなゆったりした日常とともに島ならではの美しい景色を見て、書道家としての心も潤っていく。

　子供が多く出てくるが、その中でも主人公といつも一緒にいる、「なる」という少女の声が素晴らしい。声優は実際の子どもがやっているのだが、子供独特の特徴、声質を見事に表現しており、とてもいいキャラになっている。

　なんといっても、見終わった後のすがすがしさがたまらない。涙も感動もあるが、毎回見終わった後は必ず充実した気持ちになれる。最高の作品。子供たちの無邪気さが心にしみわたってくる。ぜひ多くの人に見てもらいたい。もっと評価されるべき作品だと思う。