101匹足利尊氏 さんの感想・評価
4.2
物語 : 5.0
作画 : 3.5
声優 : 3.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
ほぼ毎回解答・解説編!?脚本が丁寧なSFアニメ
かなり複雑な世界観、ストーリー、キャラ設定だったはずです。
けれど最終回を観終わった後、自分が処理できていた情報量に驚かされるアニメです。
本作は伏線を張って張って最後爆発させるカタルシス重視の脚本ではありません。
毎回、多くの謎も提示されますが、一方で少しずつ順を追って説明もしていくタイプ。
だからどうしても淡々としていますし、地味に感じられても仕方がありません。
けれど個人的には好きなタイプの脚本です。
製作者は最初から物語の全容を把握していますが、視聴者はせいぜい予告編の情報くらいしか知り得ません。
受け手側がどの程度情報を持っているかで、この新事実やセリフはどう受け止め方が変わって来るのか…。
キャッチボールにも思いやりが求められます。
ところが視聴者を驚かそうと意気込む余り、終盤にパンクするくらいの情報量をぶつけたり、
挙句作品中に収まり切らなくなったり…。
こうした不幸な事案が後を絶ちません。
この点、本作からはこうした配慮が終始感じられました。
だから退屈との批判もある序盤から私は引き込まれました。
まるでカリスマ予備校講師の講義でも聞いているような心地よさ(笑)
とは言え座学自体が苦手な人もいます。
ロボットアニメなんだから熱血ロケットパンチで木端微塵だろ!
本作はこうした体育会系のエンタメ精神に乏しく間口を狭めている印象もあります(苦笑)
でも私としては視聴者に目隠しして突き落とす、お化け屋敷みたいな脚本も結構ですが、
本作のような静かに噛みしめることができる脚本ももっと増えて欲しいと願います。
2クールでOPもEDも一曲ずつ。映像も基本構成は共通。
けれど見る側の世界観、物語の理解度に応じて感じることが変わっていく…。
それを汲み取るように映像構成にも微調整が加えられる点にも配慮が感じられましたし、
何よりこの自分の習熟度を確認していく作業が楽しくて、私は毎回欠かさず見てました。
自分が感化されていくのを着実に実感できる…。
心のチューニング等にも適したSFアニメです。