ヤドリギ さんの感想・評価
4.2
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 3.5
音楽 : 5.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
なつかしい気持ちになった。
キャラクターはありきたりだったし、物語もありきたりだった。
だけどなぜか懐かしい気持ちにさせてくれる話だった。
結局のところの話としては
{netabare}少女の地元に転校生がやってきて、その転校生と恋をして、そして去って行ってしまう(?)という話。
その間でそれまであった仲良しグループの人間関係が変わっていって、その変化の中に戸惑い苦しみながらもそれを受け入れて変わっていこうとする高校生6人の話だった。
親の都合であちらこちらを点々としていた駆の寂しさを、透子が理解してあげれたことが駆の救いになってよかったと思う。そして透子という居場所を得られたことも彼にとって大きな救いだったに違いない。人に恋することとはどういうことかを考えさせられた。
それは他のキャラクターにとってもそうだと感じた。
裕にとって幸は憧れの存在で、好きな人だったけれど、幸の好きな人は他にいた。けれどもそのことも含めて幸を大事にしてあげられる裕という存在もひとつの恋の形だと思った。
幸にしても裕は大切な友達だけれど、それ以上に好きな人がいて、時には裕を利用してしまうこともあったけれど、そして彼の優しさに甘えてその大好きな人に告白までしてしまうけれども、そこまでさせてくれた裕に最後は徐々に惹かれていく。
それは雪哉も同じで、最初は透子一筋だったけれど透子に振られ、駆に負け、何のためにかっこ良くなるためにがんばっていたのかわからなくなり、それでもかっこ悪くなるなと透子妹に言われ、自分の本質を見直すために合宿に行き、雪哉のいない街の日常をやなぎが健気に支えてもらい、次第にやなぎのことが気になり始める。
やなぎもやなぎで雪哉が好きで、でも大事なのはその返事ではなくて、透子に振られて雪哉がへこんでても変わらず支えてあげるという変わらない好きの力みたいなものを見られた。
透子の恋愛は自分から進んでいくというよりも駆に押し流されまくっているという印象だった。でもその都度自分の想像や予感を大切にして、その駆との関係性の舵を切っていこうとしているように見えた。グラスリップでの透子の力は誰もが普通に持っているもので、想像する力(その未来や他人の気持ちを想像する力)を表しているように見えた。それが絶対なものと感じて信じこんでしまっている高校生の淡い恋心が物語のテーマとなっているように感じられた。
もちろん感じ方は人それぞれだし抜け落ちもあるだろうし、私も自分の感想を書いているに過ぎないので、これが絶対だなんて思っていないです。
ただゆっくり眺めて浸れる良いアニメだと感じました。
それと6人だと誰かがあぶれないので安心して見れました。
ウミウシなどP.A.WORKS他作品への愛もあって素敵だと
{/netabare}
思います。