猫々飯店 さんの感想・評価
4.7
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
ありふれた、もどかしい気持ちのやり取り
人を好きになるって難しいんだな、と感じました。
主人公の女の子と男の子は、ストーリーの始まりでは
互いをそこまで意識してはいません。仲の良い友達くらいです。
男の子も女の子も別に好きな人がいて、お互いにその恋を応援する立場でした。
けれども、様々な思い出を重ね、お互いをよく知っていくうちに、
気付けば相手に惹かれている自分に気が付き、悩みます。
これは友達としての親愛なのか、それとも恋愛感情なのかという葛藤。
同じ相手を好きになっている友人に悪い、という申し訳なさ。譲れなさ。
そして、相手に気付いて貰うなんて甘えはけして通用しないこと、
言葉にして自分から伝えようとしなければ伝わらないこと。
それがわかっていても踏み出せない怯えと、踏み出すための勇気などを強く感じました。
ありふれていてもどかしく、「こんな汚い感情」と思いがちな心を
そのままに描いてくれている。心の動きにリアルな作品だと思います。
見ていてとても苦しい作品ですが、見終わった時、
不器用だけれど誠実な心の在り方を感じられた気がしました。
主人公と同じ年代の高校生で、恋をしている方にお薦めしたい作品です。