ruxiv さんの感想・評価
3.6
物語 : 4.5
作画 : 5.0
声優 : 2.5
音楽 : 3.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
テンポも良く、ドンパチ系エンタメ作品と捉えても良く出来ている
「厚生省」管轄の多脚戦車や「ジガバチ」が登場。
攻殻機動隊のオマージュが多数。イノセンスネタも。
{netabare}
「厚生省」という官庁の単位ではもはやなく、国家という枠をも超えて世界統治へと動き出したシビュラ。
シビュラは大量殺戮を実行。「最大多数の最大幸福」の実現のために。
大量の死体を目の前にして語られる霜月の狂気のセリフはなかなか。
{/netabare}
全編にわたってシリアスでダークな展開なのは共通。
ストーリーはシンプル。前提として既作品は視聴済みの上、基本的な設定理解が必要かもしれない。
虚淵的な意表をつく設定。
勧善懲悪ではない。
テンポも良く、ドンパチ系エンタメ作品と捉えても良く出来ている。海外ウケも良さそう。
ただ、虚淵世界設定なだけあってか蛋白。喜怒哀楽や憎しみ等の要素は余り見られなかった。恋愛要素は少しある。
背景は陰影を重視したCGを多用。
エンドロール終了後に少し続きがある。
劇場では女性の姿も。隣とその隣も女性だった。ハードアクション、グロテスク満載な作品にもかかわらず。
何故か戸田奈津子が日本語翻訳字幕?としてクレジットされている。再翻訳したのだろうか。
クオリティは非常に高い。満足できる作品。
{netabare}
テロリストを日本に手引したのはシビュラぽい。
メモリースクープでわざと狡噛の映像を常守に見せた。
そしてシーアンに渡航させるように仕向けた。
常守を行かせたのは常守の「神託」が欲しかったから。
状況を見せ、判断してもらいたかったから。
なぜ単独?狡噛と接触させるため?
常守が殺されるかもしれないのに?
なんだかんだ護られてたし、突っ込んでもしょうがないところかもしれない。
「ダンゴムシ」というネーミングセンス。
FallOut3に出てくる「首輪」と同様のものが登場。この元ネタは何だろう。
見事に新キャラが全員死亡。続編が今後あるとしてもシーアン編は完結な感じ。
シーアンのモデルはどこだろうか。構造的にはアメリカと中東の軍事政権の関係が想起させられる。
イラク情勢や人質事件等、タイムリーな感じ。
あるいはかつてヨーロッパ各国が行った植民地の統治手法にも似通っている。
おそらく着想はそこら辺だろう。
見終わって改めて日本の社会はシビュラ的だなあと。むしろ良い意味で。
英語の発音を無理に真似ようとしたり、抑揚のない棒読みになっていたりと違和感が。
シェムリアップという地名が出てくる。
タイやカンボジアのような遺跡が出てくる。
狡噛は民主主義革命指導者へと変貌。
劇中でも突っ込まれてたが多数の死人を出してまで?
槇島を追うあまり、意図せず槇島の思想に似通っていってしまうという論理はわかるんだがここまであからさまに?変貌までの過程描写がもっとほしかった。
(民主主義の)歴史に敬意を払いなさいと言う常守。狡噛ともそこで通底しているのだろう。
{/netabare}
あと上のタイトルは
PSYCO-PASS
ではなく
PSYCHO-PASS
じゃないだろうか