「狼と香辛料(TVアニメ動画)」

総合得点
89.4
感想・評価
4756
棚に入れた
23416
ランキング
81
★★★★☆ 4.0 (4756)
物語
4.1
作画
3.9
声優
4.0
音楽
3.9
キャラ
4.2

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ネタバレ

OZ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

ニヤニヤ旅日記

原作のライトノベルは未読だが
評判も高くオススメして頂いたので
観てみる事にした

■二人のニヤニヤ旅日記■
中世ヨーロッパを漂わせる世界観を舞台に
若き行商人ロレンスと
見た目麗しい美少女姿をした狼の化身ホロ
図らずとも出会ってしまった
二人の旅が描かれる物語『狼と香辛料』

奇抜なストーリーではなく
演出面を控え目に抑えたシンプルな構成は
大きな盛り上がりこそないものの
男女問わず受け入れられ易い作品である。

まず唯一 惜しいと感じた点は作画。
風景やホロに関しては安定していたが
引きの場面時になると
幾度かロレンスが乱れる為
気になる程ではないにしても
全体を通して水準が高い分
そこだけが若干 荒さを感じてしまう。
あとちょっと力を入れて欲しかったところだ。

一方 今作品の秀でた部分は
ロレンスとホロの小気味良い会話から
物語に入り込ませるのが巧みな事にある。

中でも効果的に働いた点は3つ。
・ロレンスの人間性が上手く表れている
・ファンタジー要素の強いホロを
 違和感なく世界観へ溶け込ませている
・難しそうに見える商取引をしっかり説明出来ている

以上3点の内
どれか一つでも欠けていたのなら
雰囲気だけで魅せる作品になっていたかもしれない。
何気ない"冗談交じりのやりとり"から
とりわけ頭を使う商取引を
面白可笑しく伝えてくれたのは好印象だ。

アクションシーンが少なく
剣も魔法も出てこないファンタジーなので
一見 地味な印象を抱きがちだが
面白く見せる工夫は随所に施されており
ユニークな掛け合いで以って楽しめるだろう。

ロレンスとホロ
二人の仲睦まじいやりとりを
しばしニヤニヤと眺めていたい作品である。

■ホロの魅力■
今作品を語る上で
やはりホロは欠かせない存在だ。

福山 潤さん 名塚 佳織さん 大塚 芳忠さん 中原 麻衣さん等
演技力の高い豪華声優陣の中
ホロ役 小清水 亜美さんのハマり具合が際立ち
存分に魅力が発揮されているので
大きなプラスに繋がった。

「わっちは賢狼ホロじゃ!」
もはや彼女の代名詞である台詞。

常に堂々とした立ち振る舞いから
賢くも情に厚く
どこか気まぐれで猫の様なホロ。

見た目の愛らしさは勿論だが
彼女の魅力と言えば裏表のない
素直で豊かな感情表現にあるだろう。

今はどういった気分なのか?
感情を表すのは表情や台詞だけにあらず
しょんぼりした時はケモ耳がうなだれ
心踊らせる時には尻尾をブンブン振ったりと
喜怒哀楽を全身で表す仕草が
観ていて飽きないのだ。

また 第8話以降に女性キャラクター
羊飼いのノーラ・アレントが登場した際
親しげに接するロレンスを一瞥するや
ムスッ!と嫉妬してみせたりと
お約束通りのツンデレも見逃せない。

理知的で狡猾な一面と
時折見せる無邪気な一面との
ギャップを併せ持ったホロ。

そんな彼女に惹かれた人が多いのも頷ける
今作品を間違いなく華やかに仕立て上げた
無くてはならない存在なのである。

■スパイスはBGM■
しっかりストーリーが練られ
ちゃんとキャラクターが立っていれば
"目"で楽しむ分には充分だろう。

ストーリーもキャラクターも
満足させてもらったが
もっとも楽しませてくれたのは"耳"である。

そう!高評価に挙げたいのは音楽面。
アコースティックギターやヴァイオリン等の
身近にある楽器から
バンドネオン リュート マンドリン バグパイプ等
耳馴染みのない生楽器までと
アイリッシュやケルトの民族音楽を基調にしたBGMが
見事に世界観とマッチしているのだ。

道中の風や市場に並ぶ食材
町を行き交う人々の喧騒
異国情緒溢れる風景を
視覚 聴覚はおろか
大袈裟な表現ではあるが
"嗅覚"すらも感じさせてくれた。

他の楽曲も良かったのは言うまでもないが
特に「月夜のたてがみ」と「光る轍」は
いかにもケルト音楽らしい楽曲でお気に入り。

ファンタジー要素を
ワンランク上へと高めてくれた音楽は
まさにタイトル通り
素晴らしいスパイスとなったのである。

■あとがき■
観終わった後に程好い心地良さを感じられ
ゆったりと楽しめる全13話でした。

やはりと言うか何と言うか
ホロの魅力が大きかったです。

前回『電波女と青春男』の感想を書いた時にも
八重歯キャラについて触れましたが
今回もやはり避けて通れなかったね。
もっとも彼女の場合は八重歯と呼ぶより
鋭く尖った牙みたいなものだけれど(笑)

あぁ 噛まれt(ry

あ・・・後は何と言っても音楽かな。
OPとEDも良かったのだけれど
世界観をより引き立たせてくれた
BGMは見事の一言だね。

民族音楽を普段耳にしない人でも聴き易い
サントラ「狼と香辛料 original soundtracks」は
作品内へと誘ってくれる
非常に完成度の高い良盤なので
BGMが気に入ったなら
是非 手に取って耳を傾けてみては?
そこから旅の続きを味わえる気がするよ。

まだまだロレンスとホロのやりとりや
異世界に誘う音楽を
わっちは目と耳で楽しみたいので
続編『狼と香辛料Ⅱ』も観たくなるでありんす。

満足度 ★★★★★★★☆☆☆ (7)

投稿 : 2015/02/28
閲覧 : 421
サンキュー:

62

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