ワタ さんの感想・評価
4.3
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
ぼんぼる緒花に元気をもらった
とある事情により温泉旅館で働くことになった本作の主人公・松前緒花。
個性豊かな従業員達に囲まれ、彼女の成長が描かれる人情ドラマです。全26話。
脚本家の岡田麿里さんの過去作品を見ると、ドロドロとしたものが描かれる傾向が強いです。
この作品もよく朝ドラだの昼ドラだの言われ、結構シリアスな面もあります。
仕事の厳しさ(働くことの責任)、恋愛、複雑な家庭事情など・・・
しかし視聴していてあまり気持ちが沈まないのは、主人公の緒花がとことん前向きな性格だから。
空気が読めず、暴走してしまうことも少なくない。
周囲のキャラも彼女の言動に振り回されっぱなしで、でもどこか憎めなくて
知らぬ間にそんな彼女に影響を与えられてしまう。
そして緒花自身も色んな壁にぶち当たって成長していく。
本作の一番の魅力は、緒花の活力なのだと思いました。
作画についても触れておかねばなりません。
まあP.A.だけあって文句なし(背景美術の美麗さは実写かと見紛う程)なんですが
美麗な背景の中で、キャラが浮いたりせず自然に溶け込んでいるのも凄まじい技術力ですね。
キャラ原案の岸田メル絵の再現力もなかなかのものです。
今はまだ、つぼみ。様々な出来事を通じて夢を叶える、あるいは見つけるための成長過程。
最終回は一抹の寂しさを感じさせつつも、いつか花咲くその日を予感させる、素晴らしい締めでした。