ダレイオス さんの感想・評価

3.6
物語 : 3.5 作画 : 3.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 3.5 状態：観終わった

濃いオタクの生態をちゃんと描写出来ている。

これはテレビアニメ「エヴァンゲリオン」の監督の庵野秀明さんと
その奥さんである安野モヨコさんとの夫婦の日常を描いた漫画を原作とした
フレッシュアニメです。
日常生活を描いたものなので、仕事関係はなくて庵野さんがどういう人なのかを
アニメ的に表現したものとなっていました。
庵野さんはカントクくん（以下カントクくんで）という、いかにもなおっさんなキャラに描かれていて
この人が有名な作品の巨匠もなければ、引いちゃうでしょう。
成功者だからこそ、いいかなと思えるキャラデザインです。
安野モヨコさんはロンパース（以下ロンパースで）という
可愛らしい赤ん坊にデザインされて、アニメ的な可愛さを感じました。

このアニメはその二人の夫婦の日常を描いたものなんだけど
カントクくんがとてつもない濃いオタクなのが特徴的です。
彼から「スペクトルマン」、「イデオン」、「ガッチャマン」、「仮面ライダー」、「ファーストガンダム」
など特撮やらアニメやらのネタが語られ、カントクくんの年齢はあえて調べませんが
おそらくは７０年代の作品が多いことから当時１０歳としても５０歳ぐらいでしょうか？
私よりかなり年上みたいなので、作品自体は名前だけ知っていて中身は知らないものばかりでした。
テレビアニメの主な視聴者である１０代２０代の方も
おそらくは名前だけは知っているくらいでしょう。
そのため、思わず古い！って思ってしまうのだが
声優さんの演技のノリが良くて面白そうなことを言っているように聞こえるので
昔の作品の名前を出されるだけでも
面白と思ってしまう不思議な感覚におちいり素直に笑えました。
個人的には元ネタの作品は知らなくても笑えるだけの勢いと声優さんの演技力があると思えました。

演出的にはフレッシュアニメなんで絵的な期待は出来ないのですが
その分、使われる曲に関してはかなりの工夫が感じられました。
有名な特撮やアニメのオープニングの曲がかかるタイミングも抜群なので
センスのよさは見ものです。
そのためこの人「アバレンジャー」が好きなんだなと素直に思えたり
視聴者を楽しませることに成功していると思います。
そういえば「アバレンジャー」がアニメ内の世界では放映中てことは
これは１０年チョット前の話なんですかね？・・・と思ったり
扱っているネタを色々考えされられるのもいいですね。

日常描写についても、オタク特有の自虐ネタが中心でした。
駄目なオタクの日常が描かれてましたね。
部屋中に置かれたアニメのＤＶＤやフィギュアやオタクグッズの数々
そしてスナック菓子生活や不健康な食生活が描かれ
おまけに風呂は殆ど入らないと
この人が成功者でなければ終わってな・・・と思えるネタが多いです。
でも成功した人だからこそ笑えるんですよね。
おそらくは偉大な巨匠にもかかわらず、こんな人なのかというギャップで笑えるのでしょう。
それにアニメだし、まあいいかなっと思えました。

ただネタに関しては、かなり考えたれたものが多く
あっ・・・自分もあるなと思えるものがありましたね。
特撮見ながらテレビに話しかけるカントクくんとか、わかる気はします。
私もテレビアニメを見ながら独り言をいっちゃったりするので
家族にアンタおかしいよと言われたりするんですね。
そのため彼の気持ちはわかりました。
細かいオタク生態の描写については、リアルに感じる部分は多かった。

下品なネタは多いのだけど検便の話は落ちがしっかりしていたので
普通のシモネタ系のアニメとしても、笑える出来はありました。

あと奥さんであるロンパースが最初はどちらかというと一般人よりオタクだったけど
濃いオタクであるカントクくんと一緒に過ごしている内に
段々オタクに染まっていくのも特徴でしょう。
最初は車でかける曲が特撮やアニメソングが恥ずかしかったのに
慣れてきて平気になる所ですね。
自分もそうですが、最初は興味なかったのにそれに触れたしまったがゆえ
いいなっと思ってしまうのは妙に説得力は感じました。

作画こそフレッシュアニメなんで普通としか言えないですが
脚色こそある程度はあるとは思いますが、結構説得力があるので
本当な部分が多いと思えるリアルさは感じました。
声優さんの演技は上手いし
濃いオタクの生態をちゃんと描写していて
３分のフレッシュアニメのオタクアニメと考えれば完成度は高いと思います。