HINAKA さんの感想・評価
3.7
物語 : 4.5
作画 : 2.5
声優 : 4.5
音楽 : 2.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
『絶園のテンペスト』第24話・最終回「それぞれの物語」さすがに最後は「爆笑」とまでは、言えなかった様に思います。
『絶園のテンペスト』第24話・最終回「それぞれの物語」前半とは打って変わってと言うか、完全に第1話の初回に連動した、見事な完結編……と言いたいところですが、多少というレベルを超えた、かなり強引な《オチの付け方》だとも、言えるかも知れません。
ただ1つ言える事は、この物語は最初から最後まで、徹頭徹尾物語の冒頭で既に死亡し、1度も現在には登場しない〈不破愛花(ふわ・あいか)〉が、描いた筋書き通りに進んだ、物語だったと言う事でしょう。
イレギュラー、つまり不測の事態の発生までその先の展開予測で、折り込み済みでそれを義兄の〈不破真広(ふわ・まひろ)〉と、その親友(クサレ縁?)で自分の恋人でもある、〈滝川吉野(たきがわ・よしの)〉に託して、アッサリと清々しく颯爽と舞台から去る。舞台の上の登場人物は、シナリオに沿って鮮やかに退場する事が美しいとさえ、言い残して……。
さすがの、傍若無人で歩く身勝手を承知の不破真広でさえ、呆れるほどの傲慢と思い上がり、そして高潔なまでと意思と確信に満ちた行動には、義兄ながら呆れる他はありません。
彼は、彼としては最大級の賛辞を、親友である滝川吉野に伝えます。「お前、良くあんなの彼氏が勤まったな!」これに対して吉野君は「そこはもっと褒めてくれよ!」と、返します。それほどまでに、自由で身勝手で他人の都合は考えず、相手に自分の都合だけを押し付けた挙げ句に、最期までお惚けで貫き通します。
結果として、最終局面においては誰も不幸にならず、むしろそれぞれの新しい未来・物語に向かって、歩き始めます。
しかもその事を、御丁寧に不破愛花自身の言葉で、最期に締め括るのです。
「始まりは終わり、終わりは始まり。では改めて始めしょう、それぞれが作るそれぞれの物語を!」と。
〈詳細拙ブログ記事〉
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