お絵描きマン さんの感想・評価
4.7
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 5.0
音楽 : 4.5
キャラ : 5.0
状態:観終わった
凄まじい
愛、憎悪、苦痛、快楽・・・それこそ世界であり、それこそ人間である。放つ光が強ければ強いほど、落ちる影も深く暗い。目指す夢が高ければ高いほど、より多くの犠牲を払わなければならない。
「なぜ自分は人間なのか?」「なぜこの世界に生まれたのか?」
そんな事を改めて考えさせられる作品だった。
制作されたのはもう15年以上前だが、自分は近頃のアニメよりも断然クオリティが高いのではないかと感じた。
原作の雰囲気や絵柄などを崩さず、キャラクターの心理描写なども上手く表現できている。
クライマックスで地獄絵図に突入し、復讐の旅に出て終焉を迎えるという展開は『BLOODーC』になんとなく似ている。丸投げラストと言われればそれまでであるが、ただ残酷だった『BLOODーC』とは違い、『ベルセルク』は主人公ガッツやグリフィスの気持ちが痛いほど伝わってきた。
中盤までは黄金時代と呼ばれるに相応しい彼ら"鷹の団"の栄光の戦記、そして少し歯車が狂ってしまっただけで崩壊していく"希望の光"。
高く登りつめた頂きから絶望という淵に突き落とされる体験ができるアニメなのである。
それがわかっていながらも観てしまう魅力が、この『剣風伝奇ベルセルク』には満ち満ちている。