101匹足利尊氏 さんの感想・評価
4.0
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 3.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
東映アニメーション40年ぶりの完全新作劇場版アニメ!
本作製作の軸は監督・水島精二氏&脚本・虚淵玄氏のコンビ。
東映が中心で製作を引っ張ったわけでもないのかもしれません。
けれど私はアニメファンとして、
原作物でもない、続編でもない、新作オリジナルCGアニメ映画に、
ニトロプラスとの合作で東映アニメーションが名を連ねたこと。
そして本作が興行成績で一定の成果を残したことを素直に喜びたいです。
数年前、一部で囁かれた将来的なオリジナルアニメ作品の絶滅論。
近年の新作オリジナル作品の巻き返しで脅かされていたこの珍説は、
最も新作オリジナルのイメージが薄い東映が参加した本作のヒットによって、
もはや遠い過去のものとなった気がします。
これからも日本のアニメ業界は多くの才能が集まり、自由に表現する解放区であり続ける。
シリーズファンの声も原作者の目も関連玩具メーカーの注文も気にせずに、
世界を躍動し未知の体験をするキャラを見ながら、
私は明るいアニメの未来を感じずにはいられませんでした♪
100分余りの尺に様々な設定が重なったSFストーリーを押し込むため、
各環境ごとに代表キャラ一人という最小限の登場人物数。
世界観等の説明も多くが彼らの会話によって情報伝達されるため、
会話に耳を傾ける時間が長くなります。
一聴すると情報量が多く感じられ滅入ってしまいそうにもなりますが、
言いたいことは至ってシンプルかつ王道。とどのつまり {netabare} 仁義は大切だということ(笑){/netabare}
ではその他の会話で何が語られていたのかというと、
現代社会で当たり前のものとして気に留めていなかった常識が、
異質なSF設定を持った未来世界でどんな表情を見せてくれるのか?
そんな思考実験が延々と繰り返されていた印象です。
こうした常識の再考、再定義もSF作品の醍醐味であり、
私は興味深く傾聴させて頂きました。
特に{netabare} 地上世界の人間代表と人工知能代表による
ロック談義とそれに続くセッションの件はお気に入りです♪ {/netabare}
ですが〝講義"で眠たくなる人にとっては退屈かもしれません(苦笑)
でも大丈夫。そういう人向けに本作は娯楽要素も充実。
しばらくすればハイスピードなメカバトルによるドンパチも勃発します。
だからそれまでは諸般の事情でロリ体型になってしまった、
釘宮理恵さん演じるアンジェラ・バルザックちゃんの
マテリアルボディを観察したりして楽しんでね♪(笑)
間口の広いSF娯楽作としてオススメできる良作。
ただ願わくばあの〝二人"には、現代社会における歌い手の音程とリズム感を計る指標、
すなわち〝歌唱力”について再考、再定義そして習得訓練を試みて欲しかったですw
そこが引っかかったので音楽は4.0点から0.5ポイント減点でw