猫々飯店 さんの感想・評価
4.5
物語 : 5.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 5.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
最終話でぼろぼろにされました
めんまが可愛い過ぎて困ります。困りますがそれも、もの悲しいですね。
エンドでぼろぼろにされ……というか、2話の時点で結構辛かったです。
子どもの頃はリーダー的存在だったが、何等かの挫折があって、内に閉じこもる。
という体験をしている人には、きついんじゃないかと思います。
ですが、挫折をして閉じこもる過程は、恐らく誰しもが経験していることなんだろうとも。
現実を知り、己の小ささを知る、と言うのも、子ども期に初めて、世界に裏切られる感覚そのものですよね。
大人になると変わりゆくことも、変わらないことも、死の別離も体験するからでしょうか。
「明日が来るからゆっくりで良い」、という台詞は、大人になればなるほど、響くのかもしれないなと思います。
結局過去をずるずる引きずっても、別れることでリセットして、それでも前へ行こう。
終わることがハッピーエンド、というのは少年/少女期の終わりのようで、良いですね。
卑怯という感情も、恐らく誰もが感じていること過ぎて、胸にくるものがありました。
妬みや羨ましさなんて、大人になってもぬぐえないものなんじゃないかなと。
それでも、子どもの頃と比べて、はるかに自由になれたはずなのですが。
戻れないから子ども時代に憧れるのかもしれません。
大人ではなく、高校生という年代と言うのがまた辛かったです。
子どもと大人の中間だった頃、確かにそんなことを自分も考えていた気がします。
だからでしょうか、台詞に共感できて。内容が面白いだけでなく、最後にずしっと残る面白さがある気がします。
秘密基地とか、良いですよね。子どもの頃は自分の世界が全てだと思っていました。
あの頃独特の感覚は何だったんでしょう……誰しもが、感じていたんでしょうか。
無知であったから、あれほどまでに無謀でいられたのかもしれません。何でも出来ると思っていた節もあります。
子どもの頃は大人になれば自由になれると思ったものですが、実際は逆で。縛られていく。
その事実に気付いた人は、この作品に共感出来るんじゃないかなと思います。
後日、何故そんなにも泣かされたのか、冷静になって考えてみたのですが。
演出と流れと、台詞と音のせいかもしれません。特に台詞。
泣き出しそうな時、言葉は自然と単純で、短いものの連続となります。
それが脚本に生かされているのかもしれません。
難しくなくて簡単な言葉は、ダイレクトに登場人物の心情を伝えるだけでなく、
言葉が単純=わかりやすい=聴き手に考える間がいらない、という伝わりの早さも生むんじゃないかなと。
雰囲気も心も、考える間もなく相手に伝え、その結果、共感を誘えるのかもしれません。
それと、OPの演出も上手いですよね。惹きつけるものがあるかなと。
物語の冒頭でどれだけ心を掴めるのかというのは非常に難しいですが、
OPがそれを果たしているというのは、なかなかない気がします。