「ドラゴンクエスト 勇者アベル伝説(TVアニメ動画)」

総合得点
65.1
感想・評価
122
棚に入れた
500
ランキング
3487
★★★★☆ 3.6 (122)
物語
3.5
作画
3.3
声優
3.6
音楽
3.8
キャラ
3.7

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ネタバレ

どらむろ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9
物語 : 3.5 作画 : 3.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

ある意味伝説的なドラクエ打ち切りアニメ。ニャル子さん2期3話のパロの元ネタ

ドラクエ3の成功で国民的人気を博したRPG「ドラゴンクエスト」をアニメ化。
超ピックタイトルのアニメ化であったが…色々と迷走、黒歴史的な作品。
RPGのアニメ化は鬼門となっていく先駆け的存在なんですが、王道冒険ファンタジーとして見ると、結構悪く無い面もあります。

…当時子供でドラクエに熱中した世代には思い出深いアニメです。
平成初期を代表するアニメの一つかも?(やや隠れた作品ですが)

{netabare}『物語』
ドラクエ1~3までの世界観をベースにした、完全二次創作的なストーリー。
話は魔王バラモスが復活して世界の危機!→実は勇者的な力を持つ一族の末裔だった少年アベルが、鍵を握る力を持つ少女ティアラ(攫われたり自力で逃げたりとヒロインっぽい)を助けるべく、仲間と共に冒険の旅に出る。
…という、中々に王道で分かり易いストーリー。
途中で魔王の側近から度々妨害されたり刺客を送られたり、戦って強くなったり。
流石は人気RPGのアニメ化だけに、まさにRPGをプレイしている感覚での冒険の旅は中々見応えがありました。

露骨にドラクエを意識した演出が、当時ドラクエに夢中だった子供視聴者にとってはワクワクさせてくれたです(私とか)。
本作独自のアイデアとして「宝石(ジュエル)モンスター」があります。
魔王が宝石からモンスター作っているので、モンスター倒すと宝石になってお金ゲット出来る!
RPGでなんで敵倒すとお金貰えるの?という素朴な疑問を見事に解消したナイス設定です!
…この他の呪文の設定は無茶苦茶で批判轟々ですが、このジュエルモンスターだけは評価したい。
※余談ですが後世の作品「ログホライズン」もこのアイデアを継承していると思われます(細部は違いますが)
また、モンスターが仲間になるのも、ドラクエ5に先駆けている。
(本作はドラクエ4発売前)
もうひとつ余談、ヤナックがヒャドで氷出して、砂漠での渇きを癒すシーン。
戦闘以外での呪文の活用法が面白かった。
ログホライズンの召喚士(サモナー)の使われ方…の先駆け的アイデアかも?

大まかな流れは王道冒険ファンタジー、勇者がヒロイン救うべく戦ったり、敵幹部と激戦したり、終盤は仲間に犠牲が出て、涙を乗り越えて戦って、大団円。
結構悪く無いストーリーです。
なのですが…
全43話全般として見ると、各話のクオリティーにはバラ付きが大きい。
一度、途中打ち切りっぽいラスト…から、忘れた頃に再開して、一応完結するもイマイチ分かり辛い展開なのがマイナス。
32話で唐突に老婆(ヒロインのティアラの未来の姿)が孫たちに昔話という形式で、まさかの打ち切り…!?

※余談ですが「這いよれ!ニャル子さんW3話」でニャル子さんがニャル子とマヒロ似の子たちに昔話をするシーンは、本作32話が元ネタです。
マイナーネタですが、結構ネタになっている黒歴史シーンと言えましょうw
※「革命機ヴァルヴレイヴ」でも、エルエルフとハルト両方に似た幼い男の子にサキが未来で昔話するシーンも、多分本作が元ネタなのでは。

勇者パーティーで呪文使えるのがヤナック一人というバランスの悪さが痛い。
ヤナック以外はバトルが盛り上がらないので、全般に地味な印象受けてしまう。

総じて
王道で燃えるシーンはあるし、途中の冒険はグダクダ感はあれど割と楽しい雰囲気だし、悪くは無いアニメでした。
設定は光る面もあるが、呪文の設定が無茶苦茶だったりパランス悪かった。
とはいえ…昭和末期のアニメとして、忘れられない作品の一つではありました。
かなり好意的に評価。


『作画』
キャラデザは原作同様に鳥山明先生が担当、見事にドラクエ感出ていた。
何故かラテンっぽい感じだったり、子供心に違和感ありましたけどw
ティアラとデイジーは可愛かった。
作画はやや不安定、呪文の描写や、戦闘が盛り上がりに欠ける点が難。

『声優』
主人公アベルは古谷徹さん、ヒロイン・ティアラは勝生真沙子さん。
Zガンダムのアムロとレコアさんですね。
※ちなみに勝生真沙子さんは2014年度だと棺姫のチャイカのクローディアさん。
ジキド将軍の森功至さんなど、ガンダム声優多い。
ムーアの柴田秀勝さんのゲス声も絶品、他にも渋いベテラン豪華です。
ヤナックのキートン山田さんが一番の好演でした。

『音楽』
OPはまるで記憶に残って無いが、ED「夢を信じて」が名曲。
まさに昭和末期らしいステキな良曲です。未だにカラオケで歌います♪
「夢を~信じ~て~♪生きていけばいいさ~と~♪」うーん、良い曲だ♪
が、アニソンとしてはベストマッチとは言い難い。
BGMは原作ゲームを活かしており、ドラクエにハマっていた当時の子供(私とか)は大いに盛り上がりました♪


『キャラ』
勇者アベルがあまり印象に残らないキャラ。模範的な主人公ではありますが。
勇者のクセに全く呪文使えない、かといって剣技でもデイジーに劣る地味な主人公。
戦闘面ではヤナック一強でした。
仲間も田舎くさいモコモコとか、胡散臭いオッサンのヤナックとか、些か華に欠ける。
女戦士のデイジーは強くて可愛くてかっこ良かった。
ヒロインのティアラは結構ヒロインしていた。かわいい。
…でも、パーティーの雰囲気は良いので、旅が楽しそうなのは良い。

本作で一番印象的なのは、魔法使いのオッサン・ヤナックでしょう。
胡散臭くてエロ好きなオッサンでキャラ的に面白味があるし、戦闘面でもギガデインまで使いこなす無双ぶり!
もう全部ヤナック一人でいいんじゃないかな?
つーか勇者の立ち場ェ…。
この他仲間モンスターやゲストキャラ達(義賊のバハラタとか)、敵の幹部達も中々キャラが立っていた。
幹部のムーアは、後のプリキュアスプラッシュスターのゴーヤーンっぽい。というかムーアが先輩ですけど。
いや、ドラクエ6のムドーのモデルとなった可能性も。
ちょい役で登場のドラクエ4のミネアとマーニャの姿も。
※追記 他にもドラクエ4のお転婆姫アリーナとその従者の姿も。
…シルメリアさんのレビューより。気付かなかった…。{/netabare}

投稿 : 2016/08/13
閲覧 : 537
サンキュー:

40

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