退会済のユーザー さんの感想・評価
3.9
物語 : 4.5
作画 : 3.5
声優 : 3.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
「ご冗談を!」
故・黒澤明監督の「七人の侍」をアレンジしたアニメ。ぶっちゃけ「七人の侍」は「うわー白黒ー、すっげー古いー、すっげー血ー」くらいの感想しか抱かなかったのだが、「サムライセブン」はちゃんと最後まで楽しめた。
アレンジと言っても非常に大胆なもの。
体を機械に改造した「サムライ」が活躍した先の大戦の後、商人全盛の時代が到来。落ちのびた「サムライ」達が「野伏せり」となって村から略奪を繰り返しているが、それを撃退しようとカンナ村の巫女「キララ」たちが強いお侍様を探すところから物語は始まる。
{netabare}感じたのは、侍の生き様と他の身分の人物との対比。キララはじめ村人たち、商人であるウキョウにすら、それぞれの心情や過去に起因する物語があるのだが、対するサムライたちには、敵味方関係なくそんな描写がほぼない。カンベエとシチロージの前大戦の記憶が必要最小限に回想される程度で、圧倒的に「孤独・隔絶した身分」的な描写がなされている。
元農民のキクチヨや初期カツシロウのみが昔語りや人間らしいセリフを残すが、他のサムライたちは刀で語る漢の姿を地でいく不器用なスタイルを貫く。カッコイイ。{/netabare}
そんなこんなで非常に渋いアニメだが、単純に観ても面白いのでぜひ。