退会済のユーザー さんの感想・評価
3.7
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 3.5
音楽 : 3.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
夢の果て
ストーリー説明や考察はしていません。
私がこの映画を観て感じたことを書きます。
男の人というのは、胸に確かに夢があって、それは絶えず燃え続けそして追い続ける。
幼い頃から持ち続けた夢、大人になって現実のものにするために手を伸ばす。
そのひとりの男の人生に愛する人が現れた、二郎という男の生き様、そんな物語でした。
夢、それは最初憧れだった、しかし夢は叶えるもの。
そのために二郎は何度だってひこう機を作るのです。
それこそ何度も何度も後ろを見ることもせずに、ただ突き進む。
美しいひこう機を求め、想いを馳せ
懸命に、空だけを見上げて。
菜穂子さんは二郎の、
自信に満ちた表情、前だけ見つめる瞳、背中、そんなものを眺めるだけしかできないです。
しかしそんな姿をみて、待とうと思える。
菜穂子さんは、そんな人に出会うのですね。
二郎が夢を追う姿を見て、心動かされた菜穂子さん。
だからこそ、夢を応援して待ちたいと願った。
けれど傍にいたい、少しでも近くにいたい。
印象的なシーン{netabare}
病に倒れた菜穂子さんのところへ急いでかけつけようとする二郎。
それでも、行きの電車で夢を書き続ける、
夢への思いも掴んだまま、菜穂子さんのことを想い、涙がポタポタとたれる姿は哀しい姿でした。
「遅れてごめんね。」
そう言って抱きしめてキスをします。
君のことを愛おしい、愛しているという表情。
あの顔の表現、本当に凄いと思いました。
よく見ているんだなぁ。
ふたりは愛し合っていました。
愛しているよ とは言わないです。
けれど、表情、話し方、全身で表現していました。
深く深く繋がっていると感じました。
{/netabare}
菜穂子さんにとって愛することとは
二郎の人生劇場の舞台の袖にいること、共に歩もうとすることなんだと思いました。
夢を追う姿を1番近くで見ていたかったのかな。
二郎の志、芯が通っていて決して揺るがないもの。
揺るがない、というか二郎があえて揺るがないようにしていたのだと思います。
迷ってはいけません。
自分の傍に来てくれた菜穂子さんのためにも。
私が感じたことは、
我がままを言って困らせてはいけない。邪魔をしてはいけない、、
そうじゃない。したくないんだ。
男の人の懸命さ、困らせたくない邪魔したくない。
菜穂子さんの最後の言葉{netabare}
「あなた生きて」{/netabare}
これは私もそう言うと思いました。
この作品、観た方がどんな人生を歩いてきたかによって感じ方が違うと思います。
ガツンッと心にリアルに訴えかけてくるものがあります。
心の中に粉々の割れたガラスが詰まって、痛くて痛くて仕方ないそんな作品でした。