「Fate/Zero 2ndシーズン(TVアニメ動画)」

総合得点
91.6
感想・評価
3243
棚に入れた
17821
ランキング
28
★★★★★ 4.3 (3243)
物語
4.3
作画
4.4
声優
4.2
音楽
4.2
キャラ
4.3

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ネタバレ

oneandonly さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 3.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

非情では、世界は救えない

世界観:8
ストーリー:8
リアリティ:6
キャラクター:7
情感:5 
合計:34

途中で終わっていた第一期の続きから。

{netabare}主人公・衛宮切嗣の過去のストーリーが描かれ、彼が世界平和の願いを抱いた経緯がわかってきます。特に3話目(16話目)の以下のやりとりが印象に残ったので以下紹介します。

切嗣「栄光だの名誉だの、そんな物を嬉々として持てはやす殺人者には何を語り聞かせても無駄だ。騎士何ぞに世界は救えない。こいつらはな、戦いの手段に聖邪があると説き、さも戦場に尊い物があると演出して見せるんだ。そんな歴代の英雄どもが見せる幻想で一体どれだけの若者たちが、武勇だの名誉だのに誘惑されて、血を流して死んでいったと思う?」

セイバー「幻想ではない。たとえ命のやり取りであろうと、それが人の営みである以上、法と理念がある。さもなくば戦火のたびに、この世には地獄が具現する羽目になる。」

切嗣「ほらこれだ。聞いての通りさアイリ。この英霊様はよりにもよって戦場が地獄よりましなものだと思っている。冗談じゃない。あれは正真正銘の地獄だ。」「正義で世界は救えない。そんなものに僕は全く興味はない。」

ランサーやケイネスの排除の仕方について、私は異論なしでしたが、ここから先のエピソードで切嗣に共感できなくなっていきました。父親はともかく、ナタリアの件は彼女が落とせと懇願したわけではなかったので驚きました。おかしくなっていった経緯としては理解しますが。

自分の身内や近しい人を大事にするのは、古今東西万国共通。切嗣が私情を挟まないで人間の数だけでどちらを救うかを天秤にかけるような非情な人間だということはわかりましたが、その方法が世界平和につながるとは到底思えません。

我々は子供に、他人をいじめないよう諭す場合、相手の立場に立って考えなさいと教えます。これまで人間は、異文化や宗教を理解し、他者に寛容の心を持つことで平和を模索してきたと思いますし、その考え方で帝国主義後の現代があると思います。

また、同時に、共感は私情でもあるので、犠牲を強いなければならない場合に、権力者が自分に関係ない者を軽んじます。そのコントロールをするために、昔は武士道や騎士道などの誉れ、現代は法や行政、権力の分散などのルール、宗教による戒律等があるのだと思います。

(例外がないとは言わないですが)人間には他者に共感する力があって、これが自分の欲望だけを追求しないための歯止めになっており、世界平和を考える時にも共感を重視する必要があると思います(この物語で語られた自らを律する騎士道等も無下に扱えないということです)。

とはいえ、切嗣は聖杯が全てよいように計らってくれると期待し、聖杯戦争に勝つことを目的としていたので、彼の非情が間違っていたと責められません。手段がわからない願いは叶えられないとは凄い結末です。

これが虚淵流ですか~。プロットはしっかりしていても、この話は一般的には暗すぎではないかと思います。私は暗い方向嫌いじゃないですけどね(笑)
{/netabare}

OP曲は1期が良かったのでしばらくは印象が残らなかったのですが、聴いているうちに馴染んできました。サビに入るところが綺麗すぎです。

(2015.4視聴)

追記
stay nightを見て評価が上がっています。

<2017.2.18追記>
初視聴から約2年経っていますが、2期OP「to the beginning」は、スマホで聴いているアニソンの中でリピート回数1位となっています(「oath sign」は4位)。kalafinaの曲をそんなに多く知っているわけではないのですが、ハモリパートが心地良かったり、サビ付近は3人それぞれに見せ場があったりします。この曲に出会うという点だけでもおすすめしたい作品です。まどマギが合った方には、虚淵作品という推し材料もあります。

投稿 : 2017/02/18
閲覧 : 454
サンキュー:

56

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