karinchaco さんの感想・評価
4.1
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 5.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
評価は決して低くないが、ガンダムとして売り出す必要はなかった
ガンダムシリーズの中で最も評価が難しい作品だと思います。賛否両論、毀誉褒貶、信者もすごいがアンチもすごい。そんな感じのアニメですね。
では、なぜこの作品がこんなにも議論を呼んでいるかというと、私はこの作品がガンダム作品として登場したからだと思っています。確かにこの作品は世界観やシナリオの展開がガンダムシリーズ、特にファーストガンダムのオマージュがたっぷり込められている作品だと思います。そういった意味ではガンダムである必要性があったのかもしれませんが、だからこそ多くのアンチを産んでしまったのではないかと思っています。
4クールで制作されたこともあって、ナチュラルVSコーディネーター、地球連合VSザフト、アークエンジェルでの戦闘シーンなど本筋の他にも、熱い友情やラブロマンスなどいろいろな要素が詰め込まれた作品になっています。
特に親友なのに敵味方に分かれて戦わなければならなかったキラとアスランの物語はキッチリ掘り下げられて描かれているためこの部分の評価が高いのがうなずけます。
その他にも、連合の戦艦アークエンジェルにコーディネーターとして乗り込まなくてはならなかったキラの孤独と戦わなければ仲間を守れないジレンマや、後半のアズラエルの暗躍とアークエンジェルVSドミニオンなど見どころがたくさんあると思います。
ただ、私はこの作品がガンダムとして制作されたことが腑に落ちません。別にガンダムでなくても良かったと思います。これは、プラモを売りたいがための戦略であるというのは理解できますしこれがなければ4クールという放映期間は実現できなかったと思います。
しかし、Gガンダムから続くガンダムという名前の付くMSの大量投入は敵のメインMSまで及びました。もはや名前も覚えるのも一苦労です。このやり方全てを批判するつもりは毛頭ありませんが、さすがにここまでガンダムを登場させるのはやりすぎに思えます。
私は、ガンダムという名の持つ作品にはガンダムらしくあってほしいと願うのです。この作品はテーマも展開もこれまでのガンダムシリーズを研究して放映当時の時代に合わせて制作されているとは思います。しかし、その踏襲が表面上のものですごく薄っぺらく感じるのは古参ガンダムファンのエゴなのでしょうか。
私が思うガンダムらしさは、軍人の悲哀であったり、互いが戦力の差を戦術で覆すダイナミックさであったり、戦争の理不尽さであったり、それらのリアル感だと思っています。このSEEDはそれらを含んでいる部分あると思うのですがなんかまばゆいばかりに誇張されているような気がします。結局、ガンダムじゃなきゃ良かったのにと思ってしまいました。
ガンダムというコンテンツでいつまでも儲けようとするのはそろそろ限界に来ているのではないでしょうか。