ようす さんの感想・評価
3.8
物語 : 4.0
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
繭、夢、鳥…。灰羽って何なんだろう…。
まるで長い長い夢を見ていたような…そんな物語。
セピア調の、色彩を抑えられた世界の中にあるのは、
温かな人たちが暮らす世界。
とても不思議な世界でした。
全12話。
● ストーリー
繭の中で夢を見て、生まれる。それが灰羽。
背中には羽、頭上には光輪。その姿は天使そのもの。
だけれど空を飛ぶなどの特別な力は持たない。
物語は、
灰羽という人種の謎
↓
灰羽の生活
↓
さらなる謎
といった流れで構成されています。
ストーリーの構成は見事だったと思います。
12話という短い話数の中で不思議な世界のお話を綺麗に描き切っています。
全体的に物語は淡々と進みます。
灰羽の謎や物語の伏線はたくさんあるのだけれど、
それもさらっと回収されていきます。
深くて、思わず考え込んでしまう名言もたくさん。
それもさらっと、何気ない会話のように話されています。
淡々としていて、何かをアピールする作風ではない分、
観ている人たちがどのように受け止めるのか…
それによって楽しみ方や深みへの扉がどんどん現れてくる、
そんな作品だと感じました。
特に大きな波や山場はありません。
1番の盛り上がりは最終回でした。
初めは不思議で温かく。
中盤は暗く重く。だけど温かさは変わらずそこにあって。
温かいもので満たされているようなのに、
なんでだろう、この世界はずっと視界がぼんやりしているの。
まるで長い夢を見ているような…不思議な世界。
この手の物語は好みが分かれそうだけれど、私は好きでした^^
● 音楽
音楽が見事でした。
音楽担当は大谷 幸さんなのですが、すっかり虜になりましたね。
盛り上がるシーンでのBGMは最高でした。
【 OP「free bird~真昼の月へと~」 】
歌詞のないこの曲。大谷さんの作曲です。
不思議な世界観を引き立てていました。
伊藤真澄さんと上野洋子さんのボーカル有りも聴いてみましたが、
こちらも優しく温かい歌声が心地よかったです^^
【 ED「Blue Flow」/Heart of Air 】
伊藤真澄さんがボーカルの曲。
伊藤真澄さんの声が個人的に苦手なのですが(笑)曲はよかったです。
挿入歌として使用された時が1番よかった。
● まとめ
暗くて物静かな中に温かさがあって、心地よく終わりを迎える物語。
好みは分かれそうな作品ですが、
どこか温かいこの雰囲気が私は気に入りました。
隠れた名作と呼ばれるのも納得です^^