karinchaco さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
アニメでも面白いホラーができることを証明した作品。
綾辻行人の推理小説が原作のアニメです。原作は未読ですが実写映画はアニメを見るより先に見ています。
実写映画版を先に見ているおかげでこの作品の肝になっている核心部分がわかっていながらの視聴となりました。そのせいで、感想の大半が実写映画版との比較になってしまうことを先に謝っておきます。
ニコニコのコメントでもおなじみの「Anotherなら死んでた」の元ネタにもなっている作品です。それぐらいあっさり人が死にます。フラグかなっと思ったらかなりの高確率で災厄にあいます。死亡フラグをキッチリ回収するって演出はホラー映画では定番なんですが、アニメではあまり見たことがありませんね。
他にも、安心させたところでの衝撃シーンや不安感をあおる演出もツボにはまっていて、わかっているのにドキドキしてしまう。そんな作品ですね。
あと、赤沢さんのイメージがこちらのアニメ版を見てよくなりました。映画版ではクラスを仕切っていてヒスをおこすいやなやつとしか見ていなかったのですが、こちらでは恒一との会話シーンが丁寧に描かれていたり、自分のミスも潔く認めるなど好感触なエピソードもそのことに貢献していると思います。
{netabare}しかし、その責任感と鳴に対する思い込みが悲劇を引き込んでしまいました。少しでも彼女に恒一の話をきちんと聞く余裕があったならと悔やまれます。{/netabare}
終盤の{netabare}殺し合いのシーンは圧巻でしたね。映画版でもそれは同様に起きるのですが、こちらのほうが尺があるため、なぜ殺し合いが始まったかについてより丁寧に描かれていた印象があります。そしてこちらのほうが殺害シーンがよりエグイうえに、精神的なダメージがあるものが多いです。
{/netabare}
{netabare}三神怜子の叙述トリックはすごい出来栄えでしたね。映画版では最初から同一の人物として描かれていたので、この作品の肝であるこのトリックを体感出来てとてもよかったです。恒一と父親との電話でのやり取りや、怜子と松永の会話シーン、恒一と赤沢さんとの出会いなど様々な場面で核心を上手にぼやかしていました。
エンドロールも声優さんの名前を変える徹底ぶりには驚かされました。{/netabare}
こんなに若者の死亡が相次いでいたらメディアで話題になっているだろ。とか設定的に細かいツッコミを入れたくなる箇所はあるものの、ストーリー展開にはすごく引き込まれるものがあります。
理不尽ともいえる死の連鎖があればみんな精神的におかしくなるもの。最後の惨劇はなるべくして引き起こされたものとはいえ回避する手段がなかったのかなと考えてしまいます。精神的に不安定な時期でもある思春期の学生にその冷静さを求めるのは酷なのかもしれませんが、この世界では大人も簡単にくるってしまいますから、この点から見てもやっぱり惨劇を回避できないんでしょうね。
なんとしてでも回避する手段を考えながら作品を鑑賞する癖は、ひぐらしのなく頃にのせいなんだと思う今日この頃です。