101匹足利尊氏 さんの感想・評価
3.8
物語 : 4.0
作画 : 3.5
声優 : 3.5
音楽 : 3.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
空気を読むギャルゲー主人公
原作ゲームは未プレイ。
かの業界で培われてきた様々な萌えキャラ属性を一通り揃えた上で、
あちらの世界でしかあり得ない、ムフフなシーンも体験して頂く。
というハーレム要素もある普通の恋愛物といった印象。
でしたがその典型を設定を工夫して多くの人に自然に受け入れて
もらうおうという腐心を感じた作品でした。
女子高と男女共学高統合のための実験として、
女子高に入ってくる少数の男子という、
導入によるハーレムアレルギーの緩和措置も緩衝材として機能。
加えて私が印象的だったのは主人公男子がやたら空気を読むところ。
例えば{netabare}女子高の文化が変容するのを快く思わない空気を変えようと、
ポイントとなる女子高軍団の中心となるツンツン娘に挑む、
(そのついでに恋愛フラグが立つ、そのうち不可抗力?で混浴も実現する(笑)){/netabare}
など学園の空気を良くするために気配りを重ねていくのであります。
主人公について個人的にさらに刺さったのは、
{netabare}自分は小児ぜんそくだったから空気に敏感…。と気配りの理由を語ったこと。
経験のない方には不思議な考え方かもしれませんが、
ぜんそく持ちとしてはとても共感できる感覚でした。
私も空気は気になるんですよ。ピリピリすると本当に嫌だしw
ギャルゲー主人公なんて、いつも痛いし目障りなだけなので、
脳内から消去して女の子ばかり観ている嫉妬深い私ですが、
本作に関しては主人公と自分を重ね合せながら観ることができました。
私と主人公の違いは私は我慢して、主人公は空気を変えにいくところくらい。
(いやwそこは大きな違いかw) {/netabare}
また本作は『シスタープリンセス』信者との遭遇の衝撃以来、
自分にとってトラウマだった妹属性に挑むための作品でもありました。
本作の妹属性の主人公兄への慕い方は他に比べたら薄口でいいリハビリになりました。
もっとも、 {netabare} 義妹とはいえ、スキンシップと称して入浴中に侵入して来たシーンでは、
やっぱり、んなアホなwとも思いましたがw{/netabare}
ただ、ここでも主人公が気配りの人だったことが私にとっては良かったです。
思い返せば、主人公爆発必至のラッキースケベも何件かありましたが、
この主人公なら情状酌量の余地があるなと溜飲を下げることができました(笑)
案外、苦手な萌えキャラ属性の原因は相手となる男性キャラにもあるのかもしれない…。
なかなか興味深い体験をさせて頂きました。