どらむろ さんの感想・評価

3.8
物語 : 4.0 作画 : 3.5 声優 : 3.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態：観終わった

むっちり女子大生の音楽＆少し変わった日常系。優しい世界の成長物語

ニトロプラス（アダルトゲーム会社）のイメージキャラクター『すーぱーそに子』という音楽大好き女子大生が、グラビアアイドルやバンド活動や大学生活を通じて成長していく感じの（やや不思議な）日常系アニメ。
主人公『すーぱーそに子』ちゃんが（アニメヒロインでは希少な）むっちり系なのが見所ですｗ
（エロ要素は程々な感じ）
基本的にオムニバスで、善良な美少女達の、起伏の少ないほのぼの系。
刺激を求める人には不向きかも。雰囲気・キャラ萌えアニメであり、序盤で退屈を感じた人にはオススメ出来ず（通して見れば良作だとは思いますが）。

シナリオは地味ながらしっかりしており、ちょっと良い話もあり。
バンド作品でもあり、楽曲の魅力も見所かも。


{netabare}『物語』
名前が「すーぱーそに子」だったり、ヘッドフォンが身体の一部っぽかったり（ソードワールド2.0のルーンフォークかな？）、マネージャーさんが般若だったり、色々とツッコミ所の多い世界観。
そこはあえてツッコまずに、普通にほのぼのとした日常系な雰囲気。
序盤は、すーぱーそに子というキャラクターの紹介で、原作に思い入れが無い場合些か退屈かも知れない。
（私は原作知らないけど序盤から楽しめました。雰囲気が好みに合ってた）

そに子ちゃんは女子大生のグラビアアイドル（容姿もスタイルもバツグン）で、芸能界の闇に絡め取られる感じのエピソードがあったが、そこはコメディー風味にうまく流してて一安心。
（同年放送の某アイドルアニメは洒落にならず不愉快だったので…）
オムニバスで展開にバリエーションあり。
仲間の少女達と打ち合わせしたり音楽活動したり、女子の日常系な緩い雰囲気が見所。
…な一方で、何故かゾンビに襲われる等のエピソードもあったり（基本コメディーなので安心）ｗ

一見カオスにも思えるバラバラな話の中で、そに子の音楽への想いや悩み、先輩や祖母の存在に助けられて成長していく過程も丁寧に描かれていて好印象。
「すーぱーそに子」というキャラクターの青春成長物語として成立している。
成長物語としてはそに子の他にもう一人、小説家を志す記者・紀本さやか（のりもと・さやか）のエピソードも良かった。
夢を抱きつつも壁にぶつかり苦悩する、そに子にとって人生の先輩的な立ち位置で、自身も苦悩しつつ…
そんな二人の交流が、それぞれの生き方に良い影響を与えていく。
女性の成長物語として、良い関係を見せて貰いました。

個別エピソードでは、7話で一人旅をする話が良エピソードでした。
地味ではありますが、本作の優しい世界とそに子の魅力が詰まっている。
初めての土地の戸惑いや新鮮な体験、人との触れ合い等が、綺麗に描かれたハートフルな話でとても良かった。
そしてこのエピソードも、本作全編のテーマと思われる「そに子の音楽への想いや葛藤」を乗り越える一助になったであろう事が、何となく伝わってくる。
一見無関係なオムニバスの連続が、全体としてきちんと一本のテーマに収束しているのが良いです。

サンタクロースの話など、若干のツッコミ所（ファンタジー要素）ありつつハートフルな良エピソード多し。
終盤は軽くピンチになりつつも皆の力で（主にお祖母ちゃんが強い！）乗り越えるハラハラ感→バンド成功のカタルシスは見事。
優しい世界の優しい人々に支えられ、すーぱーそに子たち「第一宇宙速度」の音楽が活き活きと響き渡る…。
そに子の先輩が密かにライブの成功を見届けるシーンは、少し感動しました。

総じて
ちょっと不思議なキャラクターを中心にした、優しい世界。
カオス気味なオムニバスの中には些かバラつきはあるものの、地味に良エピソードあり。
全般にやや地味な事も否めず…4.5かは迷いました。
しかし、2014年度でも個人的に好きなアニメの一角ではあります。


『作画』
安定感あり。
アニメヒロインはスレンダーな美少女が主流な中で、希少なむっちり系ヒロインが可愛い。
女性陣は水準並みの可愛さで、萌え的に不満は無い。
バンドシーン等も、抜きん出てはいないが、最低限の魅力はあった。
4.0か迷うところ。個人的好みとして、むっちり系よりスレンダー系好みなので…

『声優』
主人公のすーぱーそに子役は、すーぱーそに子さんが担当。
中の人はいないのか…！？
第一宇宙速度の主要三人娘よりも、脇を固める女性陣にベテラン多し。
お祖母ちゃんの井上喜久子さんが一番はまり役かも。
特に抜きん出た印象は無いが、全般に不満は無いです。

『音楽』
本来が音楽系キャラクターらしく、バンドの楽曲も本作の魅力。
元気をくれるような素敵な良曲多数でとても良かったです。

『キャラ』
本作はそもそもが「すーぱーそに子」というキャラクターを紹介するというコンセプトのメディアミックスらしく、すーぱーそに子ちゃんの魅力が肝なのでしょう。
アニメでは希少なむっちり系女子大生、ヘッドフォンが身体の一部とか名前とか、若干不思議な娘だが…まあ細かい事はどうでも良くなる魅力がありましたｗ
とにかく礼儀正しく心の清い良い子、かわいい！
音楽活動について悩んだりしつつ乗り越えていく、好印象です。

周囲のキャラも優しい世界なのが良い。
「たまこまーけっと」に近い雰囲気の人情味を感じる。
何故か般若面なマネージャーさんが面白いｗ
殺戮院オウカさんもトンデモキャラで面白かったｗ
祖母が実は最強の実力者でカッコいい！
※ウィクロスのるう子のお婆ちゃんと並び、2014年度の祖母は強いｗ

鈴ちゃんとフウリちゃんも可愛いです。
鈴ちゃんの妹のえなちんもかわいい。
鈴ちゃんは正統派美少女、フウリちゃんは天然系、彼女たちも含めて日常系萌え作品として申し分無し。
さやか記者や旅先のガラス工房の女性など、地味ながら魅力的な女性も居る。

キャラ評価は4.5かやや迷うところ。
そに子ちゃん文句無しに可愛いし良い子なんですが…
抜きん出て好みとまではいかないので。{/netabare}