生来必殺 さんの感想・評価
3.5
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 2.0
状態:観終わった
Mix的幻想世界に・・・憚りMax!
作画は映画的で鮮やかさに富んでおり、ストーリーも意外とよく出来ている。
「神撃のバハムート」というタイトルでやるとしたらこれ以上の完成度は
不可能であっただろうと断言してもいいくらい魅力的なストーリーのはず。
しかしながら、主人公と相方の二人(ボンバーヘッドとハンマーヘッド)の
キャラクター的魅力を最大限に生かした物語にするとしたら、「神撃のバハムート」は
不必要だったのでは?というある種の無いものねだり的暴言を吐きたくなる・・・
物語の舞台は中世(的)であり、確かにドラゴンや天使や悪魔が登場する
中世のファンタジー作品もあったような気もするが、ボンバへとハンマヘの二人は
キャラ性があまりにも人間的、人間臭すぎて、神話に登場するような伝説の勇者とは
距離がありすぎるように感じた。
もちろん本作においてこの二人の人間的魅力は失われることなく描かれているのだが
人間性をシャープにすると反面ファンタジーを構成する要素が希薄化し
つまり天使や悪魔やファンタジー的ボス級キャラと人間のパワーバランスが
崩れてしまい・・・
本来盛り上がるべきシーン前に既にピークアウトしてる印象を受けた。
天使、悪魔、魔族、英雄等々の中途半端なキャラを無駄に紹介する尺があるなら
賞金稼ぎの二人の男をもっとクローズアップした物語を描いて欲しかった
のだが、それを言うと「神撃のバハムート」という作品自体が成り立たなくなってしまう
諸刃の剣なのだろう。。。
ファンタジーのちゃんぽんワールド・・・気になる人は少数派?
{netabare} 伝承によれば「バハムート」とは本来、魚の形をした異常にデカイ怪物だったのだが
(「これはゾンビですか?」に出てきた空飛ぶ鯨や日本に古くから伝わる地中深く住み
地震を起こすと信じられていた大ナマズなどが、それに近いか?)
とある時からドラゴンの形をした怪物として描かれることとなった。
デザイン的にドラゴンの形の方がインパクトはあるのだろうけど
個人的にはラスボス扱いだったドラゴンが相対的に雑魚化するのは複雑な心境。
バッカスとジャンヌ・ダルクが共演するというのは、スフィンクスがアーサー王に
謎々を出題するくらいの違和感を覚えたり・・・
「風はどっちに吹いている?」というのは名言だと思うが
天使が出てくる物語としては、それは天使様の御心のままに吹くだろうと
ある種の真理でもって反論したくもなる。
ケルベロスと言えば地獄の番犬で、ベルゼビュートと言えば蠅の王、オークと言えば猪八戒
ファンタジーの世界にはファンタジーとしての普遍の法則みたいなものが固定してる
ような気がするのは自分だけだろうか・・・・
{/netabare}