しんばくん さんの感想・評価
4.4
物語 : 4.5
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
個性的キャラが光る濃厚作品【22.5/25.0】
物語:4.7 作画:3.9 声優:4.4 音楽:4.7 キャラ:4.7 【合計:22.4/25.0】 (84.2)
ジャンル :SF、ロボット
話数 :50話
原作 :矢立肇、富野由悠季
アニメーション製作:サンライズ
総監督 :富野由悠季
脚本 :
キャラデザイン :安田朗(原案)、菱沼義仁(設定)
メカニックデザイン :大河原邦男、シド・ミード、重田敦司、沙倉拓実
音楽 :菅野よう子
主人公声優 :朴璐美
OP :「ターンAターン」(2話 - 38話)作詞 - 井荻麟 / 作曲 - 小林亜星 / 編曲 - 矢田部正 / 唄 - 西
城秀樹(キングレコード)
「CENTURY COLOR」(39話 - 50話)作詞 - 井荻麟、浜口祐夢 / 作曲 - 浜口祐夢 / 編曲 -
RAY-GUNS / 唄 - RAY-GUNS
ED :「AURA」(1話 - 15話、17話 - 40話)作詞・作曲 - 谷村新司 / 編曲 - 菅野よう子 / 唄 - 谷村新
司(ポニーキャニオン)
「月の繭」(41話 - 49話)作詞 - 井荻麟 / 作曲・編曲 - 菅野よう子 / 唄 - 奥井亜紀
「限りなき旅路」(最終話)作詞 - C.Piece / 作曲・編曲 - 菅野よう子 / 唄 - 奥井亜紀
参照元 :Wikipedia「∀ガンダム」
【概略】
『月の民』(ムーンレィス)のロラン・セアックは、地球先行潜入員に選ばれ、フランとキースとともに地球に降下する。ハイム鉱山を目指す道すがらロランはうっかり川で溺れ、「成人式」の禊ぎのため川に居たハイム姉妹に助けられる。姉妹の姉・キエル・ハイムは月の女王ディアナに瓜二つであった。 以下省略
【特徴】
①本作以前のガンダム作品とは異なり、悲惨な戦場の描写は少なく、政治的な駆け引きのシーンが多い
【長所】
①政治的な駆け引きをするキャラクターが多く、状況に応じて立ち位置を変えるなど、様々なキャラクターの思惑が錯綜し先行きの読み難い展開である
②目まぐるしく変化する戦況が物語を冗長ではなく、テンポを良くしている
③現実の戦争による凄惨な事実を元とした描写があり、生々しい
④登場人物が多いにも係わらず、キャラ立ちが良い
【短所】
①各話の繋ぎ部分を省いている為、移動シーン等を飛ばしている様に感じ、ブツ切れ感が強くて分かり辛い
②野心家が多く、集団の結束力は弱い
【短評】
全体的には話の山も数回あり、盛り上がって飽きが来ませんでした。テンポが良く感じた事については長所の②もありますが、行間を読ますような心理描写が少ない事もあります。心理については大抵呟く形で描かれる為、視聴者にとっては考える必要が無いので分かり易いです。また、ストーリーを追うだけで考える手間が無いから見応えが無いのかと言われるとそんな事はありません。1話中に数多く登場するキャラ各々にしっかりセリフが設けられているので、状況を正しく把握する為に傾聴する必要があり、割と忙しいです。よって長所④のキャラ立ちの良さについてはこのしっかり設けられたセリフ量に依る所が大きいです。長所①と③は実際に見て感じ取って頂ければと思います。
次に短所についてですが、決定的な短所を見つけ難く、書くのを躊躇った程です。①の短所に関しては放送話数の都合による物に感じ、制限が無ければ繋がりも自然にしたのだろうと思いました。何故そのように思ったのかというと、省略する部分が移動シーンや戦況に変化の無い経過シーン等、見なくても物語を破綻させる事も無い為、支障をきたしている様に感じなかったからです。逆にこのカットにより50話という元々長めの話数にも係わらず、より一層濃いストーリーに感じる事が出来ました。故に、短所①は考え方によっては長所かもしれません。
②に関しても決定的な短所に感じませんでした。集団を統率していれば異なる展開にするのでしょうが、様々なキャラが自由奔放に行動する事で複雑な展開になり、動向も気にさせる事で引きを強くしている事に一役買っていました。ただ、様々な集団を登場させるが、悉く内部争いを起こす為に殆どのキャラが賢明に映らなかったので短所としました。
総括すると、キャラは個性的でテンポが良く、BGMや声優の演技も良くて目立って悪い所が無く、良い作品だと思います。上では書いてませんがラブロマンスも盛り込んでいるのでここも見所です。ただ、今観ると作画、曲、BGM等から古臭さだけは感じると思います。
【思った事、及び蛇足】
富野監督作品を初めて観ました。ガンダムは子供から大人まで観れる作品だと思っていましたが、正直小学生位では難しいのではないかと思いました。もし小学生頃の自分に見せたら多分難しかしくて理解出来ない思います。(頭は良くなかったと思いますが・・・)
何故こんな事を思ったかというと、小学生の頃にガンダム好きの同級生が居たので、本当に内容を理解して好きと言っていたのか今になって怪しく思ったからです。
観終えて特に中盤~後半までセリフが多く、何度も聴き返す事になったので正直大変でした。なので偏見ですが、小学生で楽しめる場合はしっかり理解出来る子に限られるのかなと思いました。単にロボットがカッコ良いだけでも楽しめるのかもしれませんけどねw
また、「子供から大人まで」の大人もターゲットとした片鱗として、放送時間が夕方にも係わらず、OP曲の雰囲気から二十歳過ぎが対象にも感じ取れました。当時にしては古臭い曲調で受けは大人にも配慮したものだろうと思いました。