oneandonly さんの感想・評価
4.1
物語 : 5.0
作画 : 4.0
声優 : 3.5
音楽 : 3.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
人は孤独な存在だが、つながってもいる
世界観:7
ストーリー:8
リアリティ:7
キャラクター:6
情感:6
合計:34
舞台設定は2070年代、人類は資源を求めて宇宙開発を進め、月や宇宙ステーションでも生活・活動ができるようになっています。
主人公(田名部愛)は、テクノーラ社の新人で、スペースデブリ(宇宙空間のゴミ)の回収の業務を担うデブリ課に配属され、もう一人の主人公とも言うべきハチマキ(星野八郎太)らと共に、宇宙のゴミ拾いを行いながら、様々な事件に巻き込まれていきます。
序盤は主人公の2人に共感できないところがあって、いまいち世界に入り込めなかったです。タナベはピュア過ぎる理想主義を押しつけてくるし、ハチマキもこれという所がなく。声にもあまり魅力を感じませんでした。
特に6話(ムササビのエピソード)がいらなくて、ここで挫折しそうになりましたが、後半の巻き返しは必見。このアニメは絵がやや古く感じられ、また、音楽もOP等が印象に残らず、最終話のエンディング曲が良かっただけなので、原作がかなりの傑作なのだと思います。最後まで見ることをおすすめします。
以下、ネタバレ含みます。
{netabare}
キャラクターは何と言ってもフィーが格好良かったです。タバコのエピソードは抜群に面白かったですね。後半の宇宙防衛戦線のテロにつなげる意味でも効果的だったと思います。あと、リアリストなロックスミスやドルフも好きですね。
前半はデブリ課の職員の個性が強すぎてクラブ活動を見ているようでしたが、ハチが離脱する後半からは物語が一気にシリアスになり、人間は結局一人で生きていて、他者との間には、宇宙の星々のように冷たい宇宙が広がっているといった、心に響く台詞もありました。
価値観の異なるタナベとハチマキが恋愛に発展したのは、やや過程の描きが足りなかったようにも思いますが、それゆえのその後の描写はリアルに感じられました。
しりとりで「け」攻めをしたのはタナベのほうがプロポーズを狙っていたのでしょうか。
月での会話を思い出すに、タナベが結婚を意識するには少し埋めなければならないものがあったようにも思いますが、ハチのほうに伏線が張られているので違和感なく見られました。
エンディングの「PLANETES」の力も大きい(神曲)ですが、最終話の締めくくり方が鮮やかでした。良作です。
{/netabare}